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【日本よ】石原慎太郎 零細なるものをこそ救え! (2/4ページ)
例えば東京都が始めた、東京で開発されたベンチャー技術を表彰するコンテストで昨年高位で受賞した、人間にとっての業病の一つ糖尿病で壊疽(えそ)を起こして壊滅しつつある足の治療に画期的に役立つ、なんとキンバエのウジを使って腐食した部分を食い尽くさせ健康部分を維持蘇生(そせい)させる技術などまさにコロンブスの卵に似た発想だが、わずか二人だけの研究所の所産だった。その他毎年表彰される新技術には驚嘆させられる。
こうした試みは本来国家規模で行われるべきものに違いないが、科学技術振興のための役所がありながら国がそうした零細な企業を援助する姿勢を示したことは一向にない。そうした試みが成功すれば、その商品化は大企業が担当すればいいというつもりだろうが、わずかな資金不足で途中で挫折してしまう企業も数多い実情だ。そうした多大な可能性を秘めた零細企業は金の鉱脈としてではなしに、いわば川の底に潜む砂金のような存在だが掬(すく)って精練すれば多大な価値ともなるのに。
人間の歴史の進歩は何によってもたらされたかといえば、それはあくまで人間が新しい技術を手にしてきたことによる。人間は火を手に出来たことで他の動物たちから分化したともいえる。ついで石器時代、銅器時代、鉄器時代、そして暗く長かった中世は印刷技術、火薬、大洋における航海技術の獲得によって終わり、その延長の現代においてさらに過去の三つの新技術に似た、コンピューターに表象されるIT機器による情報革命、原子力技術、宇宙遊泳技術と繋がっている。そしてこの現代、それらの技術体系から派生すべき数多くの技術が保証されているはずだ。そしてその可能性が、大規模なラボをかまえた大企業だけではなしに、なんと社会の底辺に近い零細な企業に眠っているということが強く認識されるべきだ。