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“トヨタ・ショック”、鉄鋼生産を直撃

2008.11.19 22:11
このニュースのトピックス金融危機

 鉄鋼生産の現場では減産の嵐が吹き荒れている。

 「フル操業を続けていた自動車用鋼板は、“トヨタ・ショック”で、生産量がじわじわと落ちてきた」

 広島県福山市と岡山県倉敷市の2カ所にまたがるJFEスチール西日本製鉄所の安岡秀憲副所長は表情を曇らせる。JFEスチールでは、今年度下期に上期生産量の約3%に相当する50万トンの減産を計画している。

 しかし、今期の営業利益予想を当初より1兆円引き下げたトヨタ自動車などの不振で、減産幅はさらに拡大する見通しだ。

 同製鉄所の福山地区にある連続焼鈍ラインは、軽くて強い自動車の生産に欠かせない「超高張力(ハイテン)鋼板」などを製造する自慢の設備だ。世界中の自動車メーカーから高い評価を受け、注文が殺到していたが、担当者は「来月から減産します」と寂しげに話した。

 倉敷地区内にあるグループ会社の水島鋼板工業では近隣に工場を持つ三菱自動車など主要自動車メーカー向けに特殊溶接したドア用鋼板などを納めているが、「9月をピークに10、11月と月ごとに注文が減少している」(幹部)という。

 福山と倉敷を合わせた従業員は協力会社を含め約1万6000人に上る。野村寛所長は「この程度の減産では、人を減らす必要はない。毎年250人を予定している採用計画も見直さない」と、雇用を守るのに懸命だ。

 鉄鋼業界は、昨年度に粗鋼生産量が過去最高を記録するなど、「30年ぶりの春」(大手首脳)を謳歌(おうか)してきたが、9月の米国発の金融危機を契機に状況が一転した。

 鉄鋼各社は先行きについて、「金融が落ち着けば、おのずと需要も平静を取り戻す」(宗岡正二・新日鉄社長)と期待を寄せるが、かつての鉄冷え不況再来の懸念はぬぐえない。(吉村英輝)

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