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【ドラマ・企業攻防】「煙草大嫌い」のダイキン女性社員の生んだ空気清浄機 (1/2ページ)
10月からダイキン工業が発売した多機能空気清浄機「クリアフォース」シリーズの新商品が、注目を集めている。部屋に染みついたにおいを「水で脱臭」する機能が人気のヒミツだ。実はこれ、研究・開発と無縁の若手社員が「大嫌いなたばこのにおいを何とかしたい」一心で考えたアイデアから実用化に結び付いたものだった。
「クリアフォース」シリーズは除湿と加湿に加えて脱臭、集じんの4機能を備えた空気清浄機として昨年10月に売り出された。
1年後に登場した新商品は、加湿により放出された水分子が、壁やカーテンといった布に染みついたにおいの分子を空気中に押し出す。そのうえで、自動的に除湿運転に切り替え、水分子とにおいの分子を同時に回収していく。これまで取れなかった壁やカーテンのにおいを約90%除去できるのが売りだ。
市場想定価格は8万9800円。年間10万台の販売を目指している。
クリアフォースをはじめ家庭用空調機を製造する滋賀製作所(滋賀県草津市)には、全社員が参加して商品開発のアイデアを競う制度がある。毎年2月、専門の異なるメンバーで組んだチームごとにアイデアを出し、1次審査を通った案が試作や実験に入る。2次審査では開発部門だけでなく営業部門のトップも審査員を務め、事業採算性も含めて検討する。
空調生産本部デザイングループの樫本寛子さん(28)は昨年、非技術系の若手社員10人による「20代チーム」を結成した。たばこが大嫌いな樫本さんは、「飲食店でコートなどに付いたたばこのにおいを、ハンガーにかけておくだけで取る方法はないだろうか」と考えていた。
「帰宅したとき、部屋が換気されず、においが充満していたら疲れが倍増してしまう。さわやかな空気に迎えられたら…」
樫本さんの提案を受け、チームはまず、脱臭に適した成分について専門家に尋ねた。すると、「脱臭はいろいろな物でできる。水もにおいを吸収する」と言われたという。樫本さんは、「自分が技術系の人間だったら、水なんて思いもよらなかった。でも、水ならばこれまでのダイキンの技術でいけると思った」と振り返る。
チームは「水分子が布に付いたにおい分子を追い出す」との仮説を立て、1畳の3部屋にたばこ臭を付けた布を置く実験に取りかかった。3部屋は(1)加湿して除湿(2)除湿のみ行う(3)何もしない−のそれぞれの条件にした。
4時間後の布の状態を比べたところ、最も脱臭できていたのは(1)。(2)の場合、部屋のにおいは取り除けたものの、布ににおいが残っていた。
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