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【ドラマ・企業攻防】本格化する薄膜太陽電池バトル (2/3ページ)
シャープと同様に、結晶系と薄膜型の“両輪作戦”をとるのは、三洋電機も同じだ。太陽光を電気に変換できる割合を示す「変換効率」で世界トップレベルの「HIT太陽電池」を擁する三洋は、岐阜県安八町で技術開発を進めてきた薄膜型の量産に向けて動き始めた。新日石と年内合意を目標に、来年4月をめどとする合弁会社設立の協議をスタートし、22年度の商品化を目指す。
三洋は、HIT太陽電池にも22年度までに700億円を投じて年産能力を600メガワット(20年度は340メガワットを予定)に高めたい考えだが、「HITは三洋単独で、薄膜型は合弁事業化でいく」(駿田和彦副社長)と割り切っている。
HITは設置面積の狭い住宅屋根向け、薄膜型は広大な遊休地を生かした太陽光発電事業向けと「住み分け」を図り、多くのニーズに対応する考えだ。
9月30日に東京都千代田区のホテルで開かれた記者会見。新日石と設立する合弁会社への出資比率をめぐり、三洋が過半数を取れるのかどうかをただす質問が相次いだ。
他社との共同出資は自社の投資負担を軽減できるメリットがある半面、出資比率次第で合弁会社への発言力が弱くなりかねない。駿田副社長は「出資比率は今後の協議で検討したい」と繰り返したが、「太陽電池事業の主権を放棄するわけではない。合弁会社を大きく育てて、事業の柱にしていく」と強調した。
携帯電話機事業を京セラに売却するなど“聖域なき再編”を加速させ、三洋は20年3月期連結決算で4期ぶりの最終黒字を達成している。20年度から3カ年の中期経営計画で、太陽電池は収益の根幹をなす位置づけとなっている。
薄膜太陽電池に熱い視線を注ぐのは電機メーカーだけではない。昭和シェル石油やホンダが子会社を通じて、シリコンを使わずに銅やインジウムといった金属化合物を主成分とした薄膜太陽電池の量産を行うなど異業種参入の動きも進んでいる。



