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アデランス、スティールから役員も厳しい船出

2008.8.9 20:35
このニュースのトピックス流通業界

 かつら最大手のアデランスホールディングスは9日、東京都新宿区で臨時株主総会を開催し、筆頭株主の米系投資ファンド、スティール・パートナーズが推薦した2人の社外取締役を含む取締役7人が選任されたと発表した。その後開いた取締役会で、子会社フォンテーヌの早川清氏が社長に就任する人事も決定した。2カ月余り続いた「経営の空白」がようやく解消され、アデランスは新体制で企業価値の向上を目指す。

 同社は、5月末の株主総会で、岡本孝善前社長らの再任を求めたが、スティールなどの大株主の反対で否決され、暫定メンバーらが臨時で経営にあたる状態が続いていた。

 臨時株主総会では、スティールの推薦する社外役員2人を起用したことで、新役員の承認が賛成多数によって決まった。総会は156人が出席し、わずか14分で終了した。

 取締役会後に記者会見した早川社長は、「スティールとは企業価値向上という面においては目指す方向は同じ」と述べ協調路線を強調した。しかし経営を抜本的に立て直すためにMBO(経営陣による企業買収)で上場廃止を主張するスティールと、上場を維持することで信用力につなげたいアデランスとの溝は依然、埋まっていない。

 今後は企業価値向上に向け、社外取締役を含む役員3人で構成する特別委員会で話し合い、意見を集約する。まとまった意見は役員会で精査し、可能な案は実施していく。

 総会に出席した都内在住の男性(64)は「国内企業を経営したことがないスティールが参画しても経営が果たして好転するのかは疑問だ。しかし、やってもらうしかない」と不安まじりに漏らした。

 発足した新体制の最大の課題は、経営を取り巻く環境が厳しい中、どう業績を回復させるかだ。市場全体が縮小するなか、同社のかつらの売り上げは、7月まで4カ月連続して前年同月比でマイナスとなっており、先行きも不透明だ。早川社長は今後の営業戦略として「リピーターを増やすためには電話作戦しかない」と訴えるが、どこまで効果があるのかは未知数。

 今後の業績次第では、人員削減などスティールの求める抜本的なリストラの断行が避けられない可能性もある。(飯田耕司)

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