ニュース: 経済・IT RSS feed
バイオ燃料で食料価格75%上昇 世銀が報告書作成
このニュースのトピックス:エネルギー問題
【ワシントン=渡辺浩生】世界銀行のエコノミストが、食糧を原料にしたバイオ燃料生産によって世界の食糧価格が75%上昇したという報告書を作成していたことが分かった。草案で未公表だが、バイオ燃料の増産目標を掲げ、影響は少ないと主張する米政府の推計をはるかに上回るだけに、波紋を広げている。
農業エコノミスト、ドン・ミッチェル氏が、バイオ燃料の影響について2002年1月から今年2月までの食糧価格の上昇幅140%のうち、75%分を占めるると試算。穀物在庫低下や投機拡大などと結びついて影響力が増幅したとしている。
一方、米ブッシュ政権は2、3%と主張、国連の食糧農業機関は最大30%と試算。従来の推計をはるかに上回る結果となった。
英紙ガーディアンが今月4日、このリポートの中身とともに、ブッシュ政権に配慮して公表が見送られたとの見方を報じた。しかし、世銀はこれを否定。報告書は草案で、4月に世銀が公表した食糧危機とバイオ燃料に関する報告書の参考となった研究結果の一つで、世銀公認の数値でもないと説明している。
ただし、「世銀内部で唯一の推計」(関係者)で、バイオ燃料は食糧価格に「重大な影響を与えている」とする世銀の見解を決定づけたとみられる。世銀のゼーリック総裁は食糧危機を「人災」と強調、主要国首脳会議(洞爺湖サミット)でも、輸出規制と並んで、米政府などが導入するバイオ燃料向け補助金の撤廃を強く求めた。