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【ドラマ・企業攻防】精神的支柱を失った富士通の今後 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:ドラマ・企業攻防
■くろさん通信
再建を託された黒川氏には当時、「前任者の尻ぬぐいをさせられている」との同情とともに、業界での知名度の低さから手腕を疑問視する見方も多かった。
「人間くさい人間」。黒川社長を知る人の評だ。朴訥で飾らず、おかしいと思えば目上にもずけずけとものを言う。洗練された都会派の秋草氏とは対照的だ。
「品質、納期を守るという富士通の原点が揺らいでいた。ITバブルの中でいい気になっていた」
そう感じた黒川社長は社内の意識改革に取り組む。社内のイントラネットで始めた「くろさん通信」で、顧客を訪問したとき感じたこと、新しい発見、心にしみた瞬間−など日々の自分の思いを隠さずに書き込んだ。目線を下げて社員と向き合うトップの出現。黒川流のメッセージは、過度の成果主義で殺伐としていた社員の心を開いていく。
奇をてらわず、仕事の基本を大切にする。当たり前のことだ。だが、ある社員は「わかりやすいメッセージを発し、言葉と行動にブレがない。私利私欲でなく、富士通を本当によくしようとの思いが伝わった」と話す。現場の温度を肌で知る黒川社長は社員の心をつかみ、「強い戦う富士通」にベクトルが向いた。
復活のもうひとつのカギは、選択と集中にあった。
事業の中核となる情報システム部門に注力し、非中核部門には大なたを振るった。プラズマ・パネル・ディスプレー、液晶ディスプレーを相次いで他社に売却し、半導体のフラッシュメモリーを分離。これで借金を大幅に減らし、経営を黒字軌道に乗せた。「富士通を健康な体に戻す」との就任時の公約は達成された。
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