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どうなる原材料高直撃 企業努力も限界近づく (1/2ページ)
このニュースのトピックス:自動車産業
日銀が1日発表した企業短期経済観測調査(短観)は、原油や穀物などの原材料価格の高騰が企業業績を圧迫、経営者のマインドが急速に冷え込んでいることを浮き彫りにした。国内製造業は合理化によるコスト削減で原料高を吸収しようと懸命だが、急激な価格上昇に追い付かない。価格転嫁は不可避だが、値上げで売り上げ不振に拍車がかかるジレンマにあえぐ。
素材産業では、東レが7月出荷分から繊維や樹脂を10〜15%値上げし、クラレも「コスト削減は限界。高付加価値化で価格転嫁を図ることが根本的な対策だ」(幹部)と話す。
原料高による採算割れで操業停止を決める企業も目立つ。三菱化学は塩化ビニール樹脂などの新興国向け輸出を5月に停止。旭化成はエチレンを7月上旬から10年ぶりに5%減産する。
王子製紙は廃棄物やバイオマス燃料を使うボイラーの導入で重油使用量の削減に取り組むが、「自助努力だけではコスト吸収できない」(幹部)という。
自動車業界も、鋼材やガラス、樹脂など相次ぐ値上げ要請で、苦境に立つ。
例えば、トヨタ自動車は原価低減活動で、全車種で設計段階から見直す総点検を実施。鋼板の種類削減や工法の見直しなどに取り組むが、原材料高は想定を超えるスピードで進む。
このため、「吸収できる範囲ではない」(日産自動車のカルロス・ゴーン社長)と、全車種一斉値上げも視野に入れる。ただ、国内新車販売台数が記録的低水準となり、値上げが不振に拍車をかけかねず、慎重な判断を迫られている。
一方、穀物など原材料に、包装材など資材価格高騰にも見舞われる食品業界では、消費者の価格重視姿勢の強まりで、値上げ商品の販売が減るケースも相次ぐ。1社単独のコスト削減には限界もあり、競合他社との共同配送などの新たな取り組みも広がってきた。