ニュース: 経済・IT RSS feed
【わが道わが友】りそなホールディングス会長・細谷英二氏(3)
■同友会の仲間と活発に議論
経済同友会と財界活動を抜きにしては、私の経営者人生は語れない。中でも、同友会で代表幹事を務められた牛尾治朗・ウシオ電機会長との出会いが私を大きく変えた。
本格的なお付き合いを始めたのは、平成4年に中国で開かれた「国営企業の民営化」をテーマにしたセミナーに、ともに参加してから。国鉄民営化について講演したが、牛尾さんから「お前の話は本物だ。一生、民営化論でメシが食える」とほめられた。それ以降、牛尾さんが大蔵省(現財務省)の若手を呼んで食事会をするときや、同友会で若手の意見を聞く際には必ず呼ばれた。そして14年4月に、異例ながら(JR東日本の)副社長の立場で同友会の副代表幹事に任命された。
りそなホールディングスの会長を引き受けたのも、牛尾さんとの縁だ。15年5月にりそなに公的資金が注入された際も、「銀行は相変わらず大変だな」と思っていたら、牛尾さんから「明日メシを食えるか」と電話があり、ホテルオークラの料理店で待ち合わせた。牛尾さんと会う際はいつも10分前に着くが、牛尾さんはもう席で新聞を読んでいる。「嫌な頼み事があるのかな」と思ったら、当たってしまった(笑)。
牛尾さんは視野が広い人。政治、経済、社会、あらゆるジャンルで常に物事を考え、本質をつかまれている。それから、人物を見抜く目があり、若手を大事にされる。
同友会の特色は自分の所属する組織をバックにせず、自由にものがいえるところがすばらしい。個人の能力が試されるし、人材育成という点でも同友会活動はプラスだ。副社長や専務、常務クラスが参加する勉強会の「経済懇談会」は、11年前、私と東京電力の山本勝副社長(当時、故人)が、牛尾さんに「お前ら酒を飲むのもいいが、これからの経済人は勉強せんとだめだ」と注文されて発足させた。同友会で議論していると、同じ問題でも実に多様な意見があるということを学べる。
同友会の仲間の経営者としての成功体験が、りそなでの経営にも生きている。私が行財政委員会の委員長としてまとめた、この国の財政税制のあり方を問う提言を「同友会のバイブル」と評価してくれた花王の渡辺正太郎元副社長も、社外取締役として協力していただいている。特にモノづくりメーカーの経営から指摘される改革の助言は大きな成果に結びついている。同じ金融界では、クレディセゾンの林野宏社長が「細谷さんの頼み事なら理屈抜きで」と、やはり社外取締役を引き受けてくれた。
現在、同友会では幹事を務めているが、各企業の社長予備軍を対象としたリーダーシップ研修で毎年講師をしている。私自身の経験を次代のリーダーに引き継ぐことも大事な使命だ。

