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【わが道わが友】全日本空輸会長・大橋洋治氏(5)

2008.6.7 02:47
このニュースのトピックス倒産・破綻

 ■自由化の荒波乗り越える知恵絞ろう

 全日本空輸は経営の効率化を図るため、平成11年に世界的な航空会社連合「スターアライアンス」に加盟した。

 ルフトハンザ、SAS、エアカナダ、ユナイテッドなど加盟各社のCEO(最高経営責任者)とは年2回の定例会合があり、海外大手の戦略手段、組織や人の使い方を知る機会となったが、日本の発想とは違って勉強になった。とくにIT(情報技術)による座席管理や航空機材運用の効率化の仕組みは、収益基盤の強化に非常に役に立った。

 ユナイテッド航空のCEO、グレン・ティルトンさんにはすごいオーラを感じた。石油メジャーのシェブロンテキサコから転じ、米中枢同時テロを受けて経営破綻したユナイテッドの再建を担っていたが、私は直感で「あなたは絶対成功する」と断言した。その後、手ごわい労組を相手に合理化を進め、再建を果たしたガバナビリティー(企業統治能力)には感心した。彼とは今も交流が続いている。

 航空会社連合が、この先ずっと続くかはわからない。100年を超える船会社の歴史をみれば、合従連衡が繰り返されている。かつての味方が敵になってもいる。これは航空の世界にも共通するだろう。いま航空業界は、経験したことのない燃料価格の高騰に直面。収益環境は厳しく、米大手のデルタ航空とノースウエスト航空の合併など、アライアンス(提携)を超えた再編の動きも出ている。これをどう乗り切るか。コスト競争力の向上、付加価値の高いフライトづくりなどに知恵が問われている。

 一方、世界では各国が航空市場を開放し、相互協定で路線参入を自由化する「オープンスカイ」の潮流が広がっている。M&A(企業の合併・買収)で規模を拡大する海外勢を相手に、日本が自由化すれば弱者は淘汰される。それは全日空かもしれない。もちろん、日本の航空会社がすべてなくなるようでは困る。だが、利用者にとって何が幸せかといえば自由化だ。

 かつて、自動車メーカーが欧米進出するとき、通産省(現経済産業省)は「米ビッグスリーとの競争に巻き込まれてひとたまりもない」と慎重だった。しかし、日本に閉じこもっていたら、いまのトヨタ自動車は存在しない。自由競争の下で知恵を出し、何十年も努力したからこそ現在の姿がある。航空も同じことではないだろうか。一企業・業界のためではない。オープンなルールの下で国際競争を促し、アジアのダイナミックな発展のエネルギーを取り込むことが、日本の成長と繁栄につながるのだと思う。

 今般、日本経団連の副会長という大役を仰せつかった。微力ではあるが、皆さまのご指導をいただきながら、日本経済の活性化に貢献できるよう、全力で取り組んでいきたい。(池田昇)

                   ◇

 ※次回17日からは、新日本製鉄名誉会長の今井敬氏です。

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