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【わが道わが友】全日本空輸会長・大橋洋治氏(2)

2008.6.4 02:30
このニュースのトピックス航空・マイレージ

 ■中国との縁、公私にわたる財産 

 平成13年4月、社長に就任した私を待っていたのは経営の屋台骨を揺るがす“大事件”の連続だった。

 「9・11米中枢同時テロ」と、これに続く「SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルス問題」で世界の航空需要が激減する中、日本航空(JAL)が日本エアシステム(JAS)と経営を統合し、全日本空輸の立場は一変した。JASの路線網を吸収し、JALは日の出の勢い。もはや、われわれに量の競争はできなかった。

 生き残るには質の競争しかない。そこで、「うちの得意なものは何か」「持っている財産は何か」を考えた。国内には路線の強みがあったが、国際線は至る所に飛んでいた。思い切って整理し、中国への集中を決断した。

 今でもそうだが、中国の物流の伸びには目を見張るものがあった。13年に世界貿易機関(WTO)に加盟したことも背景にある。そして、このとき思いだしたのが岡崎嘉平太さんの言葉だ。「日本はアジアのなかの国。全日空の社員も、アジアの一員として働いてほしい」

 岡崎さんは中国とはおっしゃらなかった。だが、私はアジアとの関係は、中国が中心だろうと思った。岡崎さんは非公式を含めると周恩来首相(当時)と32回も会談している。そうした中国とのきずなは、全日空の貴重な財産だった。

 一方、中国が結ぶ縁は、入社の経緯を含め、私個人にとっても大きな財産になっている。

 社長就任後、JR東日本の大塚陸毅(むつたけ)社長(現会長)と一緒に、旧満州・中国生まれの人たちの親ぼく会「大地の会」をつくった。同時期に社長の任にあった日本精工の関谷哲夫さん、川崎重工業の田崎雅元さん、パイオニアの伊藤周男(かねお)さん、大成建設の葉山莞児さん、トヨタ自動車の張(ちょう)富士夫さん、JALの兼子勲さん、富士フイルムの古森重隆さん、ホンダの吉野浩行さんらにも声をかけた。今では、作家のなかにし礼さんや、ジャズピアニストの秋吉敏子さんも参加する多彩な顔ぶれで楽しい。

 大地の会は、日本を飛び出し、私が大連でも開いた。この際、脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症を患い、車いすで同行した私に、夏徳仁(かとくじん)・大連市長が「有名な気功の先生の治療を受けてみないか」と薦める。診察を受けると「必ず治る。手術や薬は絶対ダメだ」と言う。体に電流を流す治療をこわごわ受けると、約3カ月も車いすだった私が立ち上がり歩いたので、なかにし礼さんはじめ一緒にいた面々は大変に驚いた。

 日本では「かなり悪い。足先までしびれたら手術した方がいいが、成功するとはかぎらない」と診断されていたが、中国での縁に救われた。紹介されたのは、中国の要人を診ている気功治療の大変な権威だった。

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