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硬骨の財界人 評伝 永野健氏
このニュースのトピックス:雇用・失業
日経連会長として、鋭い舌鋒(ぜっぽう)で政治家との衝突もたびたびだった永野さん。だが、伊豆や鴨川など温暖な地で一緒に過ごすお孫さんの話をするときの永野さんは、やさしい“おじいちゃん”の顔をしていた。正義感と家族と過ごす顔が交錯する姿が忘れられない。
「硬骨の財界人」と称された永野さんを象徴する出来事のひとつに平成6年5月の高速道路料金値上げ問題がある。相次ぐ公共料金の値上げに業を煮やした永野氏は、日経連の定例会見で、「傍若無人の公共料金値上げに意見を言いたい」と、運輸省・建設省(現国土交通省)の公聴会に公述人として出席する意向を表明。事態を重く見た政府は公聴会に先立ち、高速料金の年内凍結を決めた。
財界人の多くが沈黙する中でコメの市場開放を求め、契約スチュワーデスに対する規制問題では「民間の雇用問題に行政が口を出すのはおかしい」と当時の亀井静香運輸相に噛み付いた。
平成7年5月には退任目前の村山富市内閣に対し「どうせ(政治)空白だから、早く選挙を」と、自社連立政権を厳しく批判し、永田町から激しい反発を招いたエピソードも。「ダメなんだよ。つい口が先に出ちゃうんだ」と繰り返していた永野さん。「つい出ちゃう口」の先に、政治のねじれなどに悩む現在のわが国が抱える問題をいち早く感じていたのかもしれない。合掌。(経済本部長・鶴田東洋彦)