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【わが道わが友】石油資源開発社長・棚橋祐治氏(5)
■20年先見据えて国内外に布石
石油資源開発に来て7年近くになるが、最初に心がけたのは株式公開と国内資源開発体制の再構築だった。当社は昭和30年に国策会社として創立されたが、経営基盤は帝国石油に分けてもらった鉱区で、北海道以外の新潟、秋田など、そのほとんどは40年代前半までにできたものだった。
これで飯は食えてきたが、国内にもまだまだ油田やガス田があるはず。もう一回再構築しようとなり、ずっとやってきた。成功も失敗もあるが、今、新潟の沖合で海上油田の開発を目指して探鉱している。大きな賭けだが、ぜひとも成功させたい。
もう一つは海外だ。わが国の自主開発原油は消費量全体の15%程度に過ぎないことから、国の在り方を考えて、海外で利権をとることに全力を挙げている。利権獲得は10年、20年もの歴史ではぐくまれるため、実るのは私の後の時代だと思うが。
例えばイラク。イラクはフセイン政権時代からの長い経済制裁と技術制裁で、コンピューター技術が約20年遅れている。探鉱のための地質分析は最先端のコンピューターで行わないと精度が著しく落ちるので、技術向上を目指して3年間で延べ400人を超えるイラク石油省の研修生を受け入れている。石油産業の再建はイラク経済の安定と発展に不可欠で、イラクが民主的国家に生まれかわる手助けになるはずだ。
インドネシアも、現在、原油・天然ガスの生産がピークにきているとはいえ、まだまだ開発の可能性は高い。かつて当社の姉妹会社であった国際石油開発が利権を引き継いだが、もともとは当社が最初にインドネシアでの開発を手掛けた。
昨年には、カンゲアンという大きな油田の権益を三菱商事とともに取得。調印式で、インドネシア政府の60歳を超えた複数の石油関係者から「ジャペックス、ウェルカムバック(石油資源開発が戻ってきてうれしい)」と握手を求められ、とても感激した。あとは、リビアでも試掘を始めようとしている。
また、今の石油開発事業の次をにらみ、カナダのアルバータ州でオイルサンド(石油を含んだ砂岩)の開発事業にも乗り出した。原油価格が1バレル当たり110ドルを超えるなか、20年先には有望な資源になってくるだろう。
仕事以外では小唄を続けている。通産省(現経済産業省)の先輩で元中小企業庁長官の影山衛司さんに「酒ばかり飲んでいては芸がない」と誘われたのがきっかけで、もう25年になる。東京・人形町にある小唄の会「千紫(せんし)会」(千紫巳恵(みえ)師匠)で世話役をしているが、近所のだんな衆、東京芸大出身の女性プロ、それに芸者さんと多士済々。週末にけいこに行くと、下町の路地裏から粋な三味線の音がもれ聞こえてくる。(飯塚隆志)
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※次回29日からは、資生堂名誉会長の福原義春氏です。

