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M&A大逆風 野村事件、市場に冷水 (2/3ページ)
しかし、「M&A関係業界全体への信用が揺らぎ、M&Aの依頼を躊躇(ちゆうちよ)するなどで精神的にブレーキがかかる」(市場関係者)との見方が大勢だ。「手掛けている案件の点検や内部管理の厳格化で成功の重大要素である迅速さが失われる」(国内大手)との懸念も出ている。
M&A市場が冷え込めば、外資系が日本から資金を引き揚げたり、他のアジア市場にシフトさせる動きが加速するのは必至だ。
≪「有望」の見方も≫
そんな中、「M&A発展途上の日本は有望市場」との位置付けを変えない投資ファンドもある。
世界最大級の運用資産を誇る米系投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)。米食品大手のRJRナビスコ買収などで知られる老舗ファンドが日本法人を設立したのは2年前だ。事業再編などにより企業価値を上げる長期運用を基本としている。いまだに大型案件は成立していないが、元みずほコーポレート銀行常務で昨年、トップに就いた蓑田秀策氏は「日本は準備段階。焦りはない」と意欲をみせる。
運用資産で双璧(そうへき)をなす米ブラックストーン・グループも昨年、日本法人を設立した。不動産投資を皮切りに対日投資を強化する方針を示しており、「まだまだ割安とみている地価の上昇を待ちながら、M&Aなどの企業投資に手を広げていく」(外資系証券アナリスト)とみられている。
外資系を中心とする投資ファンドは、安値で買いたたき高値で売り抜ける“ハゲタカ”のイメージもあるが、資金だけでなく、企業再生や企業価値向上のノウハウを提供するM&Aの重要な担い手となっているのも確か。
日本企業は業界再編や事業の選択と集中で欧米に後れを取っており、時間を買うM&Aの重要度は今後、一段と増す。日本経済の競争力強化と成長を図る上でも欠かせない投資ファンドの“日本離れ”を防ぐことが急務だ。

