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外為審意見、投資規制の透明性向上
TCIによるJパワー株買い増し問題に対する外為審の意見は、外為法に基づく投資規制に対して初めて出された判断となった。意見に対して「日本の市場の閉鎖性」が指摘される可能性もあるが、今回のケースは海外のファンドなどが外為法規制企業に投資する際のガイドラインになりうるもので、投資の際の透明性が増したのは間違いない。
外資特別部会長の吉野直行慶大教授は会見で、TCIが海外で行ってきた投資案件が短期的なものばかりであることを指摘。長期的投資の場合と違い、「短期的な観点から配当をする可能性がある」とした。
その上で、「公の秩序の維持」の条件として、TCIに「送電線事業の確実な実施、原子力発電所建設計画の予定通りの実施、安い価格での電力供給」の3要件を満たすよう求めたが、短期的な利潤追求によって設備投資資金が減る可能性があることなどから、3要件を満たす確証が得られなかったとしている。また、TCIと他のファンドとの違いについて、「投資先企業に取締役を送って経営に関与する」ことを挙げた。
外為法は「公の秩序の維持」だけでなく、「国の安全」や「公衆の安全」の観点からも投資を規制。防衛産業に使われる炭素繊維や警備などにかかわる企業などを明示している。ただ、外為審が開かれたことがなかったため、審査基準が不明確との指摘があった。
今回の外為審の意見は、電力会社のような「国民生活の根幹にかかわる部分」(吉野部会長)で、「公の秩序の維持」と「短期的投資」とが相反することを明確に示した。ただ、海外から「日本は閉鎖的」との批判が出てくる恐れがあるだけに、政府には徹底した説明が求められる。(飯塚隆志)