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【わが道わが友】バンダイナムコホールディングス最高顧問・中村雅哉氏(5)
■後輩たちに任せた統合の道
ナムコを創業してから50年以上がたった。その歴史は一貫して、「夢、遊び、感動」を追求するというものだった。幸いにして、ナムコには大きな経営危機はなかったが、いつの時代もさまざまな課題に悩まされてきた。人材の確保もその一つ。今や、エンターテインメント産業は人気業種だ。新卒者が就職したい企業のランキングで、上位に挙げられており、人材確保に困ることはなくなった。
これは、「不良の温床」のようにいわれたゲームセンターを、現在に通じるアミューズメント(AM)施設にするための業界団体を結成したり、ゲーム各社が株式を上場するなど、業界の健全化や基盤整備を進めてきたことの成果だと思う。
ルール作りもその一環だ。昭和53年にタイトーが投入した業務用テレビゲーム機「スペースインベーダー」は、大量の偽物に悩まされた。タイトーは、偽物メーカーを相手取り、知的財産権に関する訴訟を相次いで起こした。一連の訴訟で、ゲームにも著作権があることが確定した。
ところが、判決はあくまでも「同じ構造の回路から発せられる同じゲーム」についてのみ、著作権を認めるという内容だった。
そこでナムコは、全社一丸となってこの問題に取り組んだ。いわゆる「パックマン訴訟」として知られる裁判だ。ナムコの業務用テレビゲーム機「パックマン」の偽物を設置した業者に対して損害賠償を求めた裁判で、その判決で、「パックマンは著作権法の中の映画に該当する著作物であり、被告(偽物業者)は原告(ナムコ)の上映を侵害した」との見解が示された。59年のことだ。
以来、業務用のゲーム機には映画と同じ著作権があることが確認され、偽物は法的に規制されるようになった。そういう面でも、ナムコの発展は、業界の発展と常に表裏一体だった。
創業から50年の節目となった平成17年、ナムコは玩具最大手のバンダイとの経営統合を決めた。すでに私は経営の一線から退いており、信頼する部下や後輩たちに経営を任せていた。
その後輩たちが前向きに検討した上での統合だ。私には創業以来のいろいろな思いもあった。だが、後輩たちが今後の企業としての発展を考えた末の最善の策である。
バンダイとナムコは、企業風土がよく似ている。統合して誕生したバンダイナムコグループが、これからも業界のリーダーとして発展し続けることを期待してやまない。(青山博美)
※次回8日からは、ウシオ電機会長の牛尾治朗氏です。

