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【直球緩球】エーザイ内藤晴夫社長
−−米バイオ製薬会社のMGIファーマを約39億ドルで買収した
「MGIが得意とするガン治療薬の分野への本格的な参入を果たしたい。世界最大の市場が形成されている米国での成長を確たるものにするのが狙いだ。先方のCEO(最高経営責任者)とは2年前から話をしており、にわかに浮上した話ではない。世界初になる可能性がある『ガン治療ワクチン』など、ユニークな新薬候補をもつ会社。よい選択をしたと思っている」
−−平成28年度までに売上高1兆5000億円、ROE(株主資本利益率)20%以上を達成することを新たな経営目標に掲げた
「アルツハイマー型認知症治療薬『アリセプト』などにより、日本市場は当初計画以上に好調。日本市場が全体の成長を牽引(けんいん)しており、これまでの売上高1兆円、ROE16%という目標はほぼ視野に入った。MGI買収で豊富な新薬候補が加わったため、さらに高い目標を目指す」
−−国内大手の再編には加わらず、海外展開やがん治療薬の強化など独自路線を貫いている
「日本市場はエーザイ単独で対応できている。これ以上を目指すなら、明らかに海外市場を強化するべきだ。米国市場は減速しており、製品によっては4%を切る成長率にとどまっている。一方で、市場が20%も拡大しているのがガン治療薬だ。こうした大きなトレンドは時間的なずれがあるだけで、世界中で起こることは間違いない」
−−東欧など新規EU(欧州連合)加盟国を成長市場とみている
「欧州の売り上げで7割を占めている先進国は、医療費抑制政策でマイナス成長。これに対して中欧、東欧市場は2ケタで伸びており、今の市場規模は小さくても将来性があることは間違いない。EUを一つの市場ととらえて、ロンドンに欧州統括事業本部を置く効率的な経営モデル構築に取り組んでいる」
−−中国やインドにも進出している。知的財産権での法整備など不安はないか
「あまり心配していない。30年前の日本も同様だった。インドはすでに、知財を守る方向でターニングポイントにきている。法的整備が進み、市場の準備が整うのもそう時間はかからない。期待市場の中国、インドでポジションを確立するためには、M&A(企業の合併・買収)が必要になるだろう」(滝川麻衣子)
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ないとう・はるお 米スターリングドラッグ社を経て昭和50年エーザイ入社。研究開発本部長などを経て63年4月から現職。60歳。創業者である内藤豊次氏の孫。