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【わが道わが友】西日本高速道路会長 石田孝氏(3)

2008.3.27 03:24
このニュースのトピックス年末・年始

 ■雨の日に傘を貸してくれた人

 私が神戸製鋼所で鉄鋼の営業を担当していたとき、豊田通商の東京支店長をしておられたのが、今は豊田通商会長の古川晶章(まさあき)さんだ。古川さんとは育ちが同じで、古川さんは今の北九州市若松区出身。私は八幡出身だが、高校のときから若松区に越した。

 古川さんには当時、新たな販路の開拓について、よく相談させてもらった。商社の人だけあって、行動力、思考力の速さ、それにビジネスに対する勘がすごい。そのタイムリーな意思決定に、私は必死でついていった。

 古川さんの情報を活用させてもらい、何度、お客さまに攻め入ったことか。おかげで、自動車、家電、パイプメーカーなど、新しいビジネスがずいぶんと増えたものだ。

 その後、数年間は年賀状で近況を伝え合う程度だったが、私が油圧ショベルなど建設機械のメーカーであるコベルコ建機の社長になってから、再びご縁ができた。

 残念ながら、当時のコベルコ建機は財務状況が厳しく、財務担当役員に毎月、「社長、銀行に行ってくれ」と言われ、つなぎ融資のお願いに行くような状態。一方で、世は中古車市場が伸び始めたころ。コベルコ建機でも本格的に中古車を買い上げてリセールする会社を立ち上げたいと考えていた。中国市場も急成長し、四川省の工場の生産能力では足りなくなっていた。

 そこで、中国の浙江省杭州に新たに工場をつくり、中古車の会社も起こすことにした。だが元手の資本がない。中古車の会社だけでも所要資金は50億円。そのお金をどうするかと考えたとき、古川さんの顔が思い浮かんだ。

 日本で作った部品を中国に新設する工場に持っていくと、売り上げの回収は10カ月後になってしまうので、豊田通商が間に入り、実質的にお金を立て替えてくれないかと考えたのだ。

 古川さんは申し入れを即断で了承してくれた。おかげでキャッシュフローは改善し、つなぎ融資をお願いする必要もなくなった。雨の日に傘を貸してくれる人はそうはいない。豊田通商にとっても、リスクのある提携だったと思うが、よくぞ古川さんのような方がいてくれた。今でも本当に感謝している。

 古川さんとの交流を思うと「天の時、地の利、人の和」という言葉が浮かぶ。中国市場が伸びる「天の時」を得て、九州の同郷という「地の利」、それに古川さんと培った信頼関係という「人の和」がそろって、コベルコ建機は成長できたのだ。

 市場シェアは、国内でも世界でも最低15%必要というのが私の持論。コベルコ建機の社長に就任した当時、11%だった国内シェアを2年間で15%にし、世界でも海外との合弁で15%を達成した。戦いをともにした古川さんは、戦友のようでもある。

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