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加ト吉株主総会、JTの完全子会社を承認
冷凍食品大手の加ト吉は13日、臨時株主総会で日本たばこ産業(JT)の完全子会社となることについて株主から承認を得た。加ト吉は4月に上場廃止の予定で、これを受けJTは国内最大の冷凍食品メーカー誕生に向け、加ト吉との冷食事業統合に動き出す。ただ、JTは子会社が輸入販売した中国製冷凍ギョーザの中毒事件で深刻な“消費者離れ”を招いており、冷食事業の新たな船出は相当な困難が予想される。
JTブランドの冷凍食品は、自主回収した商品以外にも撤去する動きが止まらず、家庭向け商品の売り上げは前年の10分の1という危機的状況にある。業務用を含めた売り上げ全体でも6割減と大きく落ち込んでいる。
こうした事態を受け、今月4日発表した再発防止策では、検査体制の強化とともに中国での委託生産を縮小し、自社工場に集約する方針を示した。
ただ、冷食の生産体制については「中国抜きでは考えられない」(JTの木村宏社長)との事情を抱え、「円滑に集約が進むかは不透明」(業界関係者)との指摘もある。
また、統合計画をめぐっては、ギョーザ事件に対する安全認識の食い違いが引き金となり、統合に参画する予定だった日清食品が離脱するという大きな痛手も負った。日清には「商品開発力やブランド力に強い」との声が業界内でも多いだけに、影響が心配される。
食品事業の強化で“脱たばこ”を急ぐJTは、ひとまず加ト吉との冷食事業統合で売上高2500億円の業界トップ企業を完全な傘下に収め、「悲願のカテゴリーナンバーワン」(木村社長)を手中にする。同1000億円台にひしめくニチレイや味の素冷凍食品など2番手グループを大きく引き離す規模だ。
しかし、いったん揺らいだ信頼の回復は容易ではない。事件の真相はまだ解明されず、消費者の不安も完全には払拭(ふつしよく)されていない。
JTの冷食事業は販売不振と管理体制の強化でコストがかさみ、今年度はすでに営業赤字への転落も濃厚だ。業界には「少なくとも半年間は“ギョーザショック”が続く」との悲観的な声も聞かれ、冷食事業の先行きに暗雲が立ちこめる。
(中山忠夫)