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【春闘】「両手を挙げて万歳できない」産別 (1/2ページ)
自動車、電機など大手製造業の春闘は、大半の企業で3年連続の賃上げとなり決着した。ただ、急激な円高株安、原油高などで、2兆3000億円の営業利益を見込むトヨタ自動車でさえ労組側の要求に届かなかった。長時間労働の抑制を狙いに求めた時間外割増率引き上げも大半で「継続協議」となり、「両手を挙げて万歳できない」(金属労協の加藤裕治議長)結果となった。(春闘問題取材班)
《自動車》
賃金の伸び悩みの象徴となったのが自動車。海外事業の好調から最高益をたたき出す企業が続出し、一部労組は当初、前年を大幅に上回る要求水準を模索したほどだ。しかし、米国の景気減速や円高、原油高が直撃し、経営側は“財布のひも”を締めた。トヨタの小沢哲専務「賃上げしても消費に回ることはない」と労組の主張を跳ね返した。
こうして、トヨタが早々に前年並みの賃上げ1000円の回答方針を固めたことにより、相場全体を抑制。ホンダはベアで前年実績を下回った。
「組合はこれまでの頑張りを訴えるが、会社は決まって先行き不安を強調する」(主要労組幹部)。過去を振り返る労組側と将来に備えたい経営側。両者の間の溝はあまりに大きかった。
《電機》
昨年はベアに反映されない「手当て」でかろうじて賃金改善を実現した電機業界。今春闘は時間外割増率の引き上げを15年ぶりに要求し、「闘う労組」を打ち出そうとしたが、経営側から予想以上の反発にあい、断念を余儀なくされた。
「交渉の4分の3を時間外割増率に費やした」(電機連合の中村正武委員長)ほどの熱の入れようだったが、金属労協の議長労組である自動車総連が要求に不参加だったことが「交渉に大きく影響した」(同)。「共闘」を掲げる金属労協の将来にも禍根を残す結果となった。
また今回は、電機春闘のリード役が変わりつつあることも鮮明になった。日立製作所に代わり業績好調の三菱電機が交渉中盤に早々と昨年と同額の1000円の賃上げ意向を示し、「前年並み」の流れをつくりだした。