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競争激化する携帯向け多チャンネル規格
平成23年以降に始まる携帯端末向けマルチメディア放送をめぐり、異なる放送規格を提案する陣営間の争いが本格化してきた。総務省は数十チャンネルで映像コンテンツ(情報の内容)を有料配信できる新サービスを想定し、来年夏にも免許の申請資格などについて方針を固める計画。そこに照準を合わせて、各陣営が動きを加速している。
携帯向けマルチメディア放送は、23年7月にテレビのアナログ放送が停波した後の空き周波数帯を利用する。一斉伝送された映像を見る現行のワンセグ放送と異なり、電波を使って映像情報を個別にダウンロードして視聴する「蓄積型放送」が可能になる。携帯電話のネット接続機能を利用して課金もできる。
その放送規格には、ワンセグの仕様を踏襲する「ISDB−Tmm」と、米クアルコム社が開発した「メディアフロー」が名乗りを上げている。
ISDB−Tmmを推進するフジテレビジョン、伊藤忠商事、NTTドコモなどが発足させた準備会社「マルチメディア放送企画LLC」は5日、端末を利用した試験サービスをメディアに初公開。ニュースやスポーツ、音楽など70種類のコンテンツを用意し、携帯電話や専用の映像受信端末で受信・再生するデモを実施した。利用者は映像を有料でダウンロードしたり、蓄積しながら視聴するストリーミングも楽しむことができる。
一方、クアルコムが推奨するメディアフローは、昨年3月に米国で商用サービスがスタート。クアルコムは今月19日、企業関係者などを対象にして、都内で大規模な技術発表会を開催する計画だ。来年はKDDIとソフトバンクが実証実験も行う。
このほか、携帯端末向け放送には、CD並み高音質でコンテンツを配信できる「デジタルラジオ」などの規格が提案されており、最終的に複数の規格が採用される可能性がある。
ワンセグ放送の登場で映像受信端末としても存在感を増した携帯電話だが、ワンセグでは課金ができず収益化が難しかった。このため、新放送には広告収入に代わる新たな収益源として、各社の期待が高まっている。