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【福島薫一の男前洋品館】手間ひまかけた究極の羅紗 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:関西ういーくえんど
「羅紗(らしゃ)」−。一昔前は洋服の生地をそう呼んでいました。
機に縦の糸を並べたところに横糸を打ち込んで織り上げ、生地にしていく。そう言ってしまえば単純なことです。しかし、何世紀にもわたって技術や伝統が築かれ、素材の羊毛の産地、機屋(生地メーカー)も多々あり、一枚の生地のむこうにはさまざまな歴史、人々のドラマが存在します。
イタリアでは北イタリアの「ビエラ」。英国ではマンチェスター郊外の「ハダースフィールド」。それに日本の岐阜の「尾州」が世界の3大織物産地になります。
究極の羅紗とは何か? 問われれば、私は膨らみと柔らかさのある生地と答えます。
わかりやすくセーターを例に説明しましょう。高速の編み機で編み上げたセーターより、低速の編み機のセーターの方が、同じ糸を使っていても柔らかく膨らみのあるセーターに仕上がります。理想は手編みではないでしょうか。手編みの持つ独特の柔らかさと仕上がり感に、勝てるものはありません。
羅紗も同じです、現代的な高速の織機で織ったものより、昔ながらの低速の織機で織ったものの方が、手触りを含めて温かみのある柔らかさに仕上がります。究極は手編みですが、現在ではほとんど存在しませんので、いかに手編みに近い羅紗にするか、原毛も含めて考えられています。


