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「夢をカタチに」トヨタ自動車の寺師茂樹さん 新型クラウン開発責任者 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:くるま
一般の人は、プロ野球選手と同じように筋肉を鍛えただけでは150キロの速球は打てない。「運動神経」が違うからだ。これを車に置き換えると「筋肉がエンジンなどのハードで、運動神経がそれらを制御するコンピューター。12代の筋肉の良さは認めるが、13代はその運動神経をもっと発達させたかった」と振り返る。
この姿勢で「感動性能」も追求した。345馬力という高出力のハイブリッド車は「アクセルを踏み込んだ瞬間から、継ぎ目のない滑らかな加速が続く」という感動を生み出す。この感動をさらに増幅させるため、「トヨタのチーフエンジンの中で一番うるさい」と自称する静粛性にもこだわりをみせた。
入社後、実験部で車の快適性に関する研究に従事した経験をもつ。燃費改善の鍵を握るエンジン効率を高めると「ボー」というこもった音が大きくなる。この音と正反対の波形の音を流すことで音を打ち消す技術を開発し、ハイブリッド車に採用した。
さらに疲れにくくするため、サスペンション(車体支持装置)を改良し、路面からの衝撃を抑える工夫などを施した。疲労と相関がある尿中のアドレナリンの量を長時間運転の前後で測定した結果、その量を従来型に比べて約30%低減させたという。
クラウンなどの国内大型セダン市場における最近の月間平均販売台数は、1万台を下回る水準で低迷している。市場活性化の鍵は「感性に訴える性能」だと信じ、13代の飛躍を信じている。(臼井慎太郎)