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【断面】BD勝利でソニーは新世代DVDの雪辱を果たせたか
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新世代DVDの規格争いは、東芝が19日に「HD DVD」から撤退表明し、「ブルーレイ・ディスク(BD)」の勝利で幕を閉じた。BD陣営のソニーはかつて、ビデオ記録方式で独自規格のベータを推して苦杯をなめた。そんな誇り高きソニーが独自技術に執着せず、メーカーや映画会社の賛同を幅広く集め、今回は雪辱を果たした。
東芝が「寝耳に水だった」(西田厚聡社長)と歯がみしたように、決定打は年初の米映画大手ワーナー・ブラザースの離反にある。東芝の盟友・ワーナーの切り崩しにソニーのストリンガー会長が水面下で動き、ソフトを握る米映画会社の多くを自陣営に引き入れた。
VHS対ベータ戦争では、「画像はVHSより優れている」とされたベータが、ソフト充実に力を入れたVHSに敗れた。これを教訓に、ソニーは新世代DVDの規格作りで当初から松下電器産業など8社と共同歩調をとる。自社の家庭用ゲーム機にもBDの視聴機能を搭載して普及に奮闘し、勝利にこぎつけた。
HDが現行DVDと近い技術を用い、低価格で記録ディスクや機器が製造できる優位性をもちながら敗れたのは、独自規格への過信だったか。
規格争いの決着に要した期間はビデオで10年以上だったが、次世代DVDでは約5年。山田英夫・早大教授は「デジタル化で規格の製品寿命が短くなった」という。
コンテンツを自由にダウンロードできる高速ネット通信時代には、次世代DVDなどの記録ディスク不要論も出る。デジタル技術の世界では、今日の勝者が明日の敗者になりかねない。泥仕合の末の「BD勝利」の賞味期限は、案外短いかもしれない。(塩原永久)