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【ニュービジネス】ホテルオークラ 客室チェックのプロ認定、サービスの底上げ図る

2008.2.10 20:34

 ホテルオークラ東京(東京都港区)は、清掃後の客室チェックの社内検定試験制度「マスター・オブ・ハウスキーピング」を制定した。都心を中心に増加する高級ホテルの間では富裕層の獲得競争が激化しており、客室清掃を徹底することで、老舗ならではのもてなしを追求する。また、同ホテルは今月、試験合格者がチェックしたスイートルームに宿泊する新商品「ザ・プレミアム・スイートステイ」の販売も始めた。

 同ホテルの検定試験制度は、ホテルの裏方である客室係の勤労意欲を高め、サービスの底上げを図る狙いもある。チェックの正確さだけでなく、作業のスピードも要求するのが特徴で、ホテル業界でも珍しい制度という。

 「清掃後の客室チェックは、お客さまの前にでない黒子の仕事だが、ホテルサービスの品質を支える重みがある」。1月に行われた第1回試験に合格した客室課客室支配人の新川達也さんは、客室チェックの重要性をこう強調する。

 検定試験は実技試験と口頭試問があり、100点満点中95点以上で「マスター」の認定が与えられる。なかでも、清掃後の客室で2人以上の試験官の前で行われる実技試験は難関といい、「ベッドのシワ・汚れ」「時計の時刻設定」「メモ用紙の汚れ」など計83チェック項目を15分以内で行わなければならない。

 「試験中、83項目すべてを声に出してチェックするため、少しでも気を抜くと、あっという間に15分をオーバーする」と新川さん。新川さんの記録は社内最短の13分45秒で得点は98点。客室課スタッフ35人のなかで、合格者は新川さんを含め3人だけだ。

 833室を抱える同ホテルにとって、ルームチェックのスピードは極めて重要。マニュアルを片手に時間をかけてチェックするホテルもあるが、「スピードに磨きをかけることで、仕事が体に染みつく」というのが同ホテルの伝統という。

 試験は不定期に年数回行われ、マスターには認定証とバッジが与えられるが、有効期間は1年しかない。新川さんは、客室支配人として若手スタッフの合格をサポートすると同時に、有効期限が切れる来年の試験に向けて、自身の技術向上にも取り組む。

 同ホテルはまた、この認定制度を商品開発にも活用している。2月から販売を始めた「ザ・プレミアム・スイートステイ」は、マスター認定者が用意したスイートルームへの宿泊を売り物にしている。

 さらに、予約した時点から専任のコンシェルジュ(案内係)が、レストランの予約や観光案内など個々の顧客の要望に沿うオーダーメードのホテルの過ごし方を提案。館内に併設された会員制スポーツクラブや本館9階のスパ施設を何度でも利用できる。販売は2月1日から1年間。1泊1室15万円から。問い合わせは(電)03・3582・0111。

 同ホテルの西村晃・執行役員は「サービスの品質を維持するには、ミスは許されない。今後もスタッフの能力の底上げに取り組む」と、サービス重視の戦略を強調している。

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