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【主張】名ばかり管理職 働き方の議論につなげよ

2008.2.1 03:08
このニュースのトピックス主張

 長時間労働を余儀なくされていた店長に「管理職だから」と残業代を払わなかった日本マクドナルドに対し、東京地裁は未払い残業代など約755万円の支払いを命じた。マクドナルドは控訴したものの、残業代のほぼ全額支払いを命じた地裁判決は当然といえよう。

 労働基準法では、労働時間を1日8時間、週40時間と規制し、これを超えると残業代など割増賃金を払わなければならない。

 管理職は、この規制の対象から外れるが、それに見合う権限と待遇が与えられていることが前提だ。地裁判決は、「店長の権限は店舗内に限られている」「労働時間も自由裁量はない」として権限面でも待遇面でも、管理職とはいえないとしたのである。

 実際、この店長は早朝から深夜までの勤務が日常化していた。2カ月以上休みがない時期もあり、残業は最大月137時間に達した。

 外食産業や小売業を中心に似たような立場の店長は多い。競争が激しく、絶えずコスト削減圧力にさらされている状況が、「名ばかり管理職」を生む素地になっているのだ。

 最近は、店長を管理職から外したり、管理職でも残業代を払う企業が増えている。紳士服専門店のコナカは未払い残業代を求めた元店長と解決金の支払いで合意した。判決で、こうした動きが加速する可能性は高い。

 もっとも、店長を管理職から外す、残業代を払うというだけでは、長時間労働の解消という本質的な問題に迫ることはできない。少子高齢化時代に欠かせない、仕事と生活の調和を図る「ワークライフ・アンド・バランス」の議論を進めるには、長時間労働問題は避けては通れないのである。

 経営側が提唱する労働時間にとらわれない自由度の高い働き方も、連合が主張する残業代の割増率引き上げによる長時間労働抑制も、「名ばかり管理職」やサービス残業が横行していては、真っ当な議論はできまい。

 控訴審の結果はどうであれ、経済界は、まず今回の判決を踏まえ、権限と待遇のバランスが崩れた中間管理職らの職務分担を見直すべきだ。現実に存在する労働現場のひずみを是正し、「働き方の見直し」の議論を発展させることこそが重要なのである。

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