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【夢をカタチに】日産自動車IT&ITS開発部 酒井和彦さん 

2008.1.26 15:36
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『アラウンドビューモニター』を開発した日産自動車の酒井和彦さん『アラウンドビューモニター』を開発した日産自動車の酒井和彦さん

 昨年12月に世界最高水準の走行性能を持つ高級スポーツカー「GT−R」を発売し、勢いに乗る日産自動車がミニバン分野でも健闘している。平成14年5月発売のミニバン「エルグランド」は、モデル末期にもかかわらず、12月に約1500台を販売。前年同月に比べ、60%以上台数を増やした。

 10月から縦列駐車がしやすくなる「アラウンドビューモニター」をオプション装備できるようになったことが大きな理由。カーナビゲーション画面を使い、上からの視点で車の位置や前後左右の方向感覚をつかめる、世界初のシステムだ。車体の前部と両側ドアミラー、後部に超広角の高感度カメラを搭載し、4つの撮影画面をつなぎ合わせて表示する。

 「(ミニバン)ユーザーから『車体が大きく駐車しにくい』との声があった。特に子供のいるお母さんから、『送り迎えの際に(子供の安全が)不安になる』といわれた」。IT&ITS開発部の酒井和彦さん(39)は、開発のきっかけを説明する。

 カメラ映像をカーナビ画面に表示するシステムは、15年6月発売のミニバン「プレサージュ」に搭載。酒井さんも開発にかかわった。しかし、このシステムは左側と後側にのみカメラがあり、映像は単につなぎ合わせるだけだった。

 これ対し、アラウンドビューモニターは、カメラの数が増え、高性能になっただけでなく、つなぎ合わせた映像が自然に見えるよう、補正して表示する。つなぎ合わせただけでは、超広角レンズによるゆがみが生じ、見えにくいためだ。その分だけ、開発に苦労させられた。

 映像は、プログラム化された補正ルールに基づき、逐一デジタル処理する。映像の自然な動きを確保するため、開発陣が自らに課したのは、1秒間に30回もの画像書き換えという、高いハードルだった。しかも、「4つのカメラが映像を出すタイミングはバラバラ。つじつまを合わせる必要もあった」と開発の苦労を振り返る。

 製造現場でも、ヘッドライトの光軸を調整する装置を改造し、新たな検査装置を導入。1台1台、丹念に性能を調整してから送り出すことにした。「トップから『何で早く開発できないのか』とプレッシャーも。苦節3年でした」

 10月以降にエルグランドを購入した人の半数以上がモニターをつけている。昨年12月には、別のミニバン「セレナ」にも一部を除き、モニターをオプション装備できるようになった。

 アラウンドビューモニターを「わが子のよう」という酒井さんは、開発がヤマ場を越えた今も、今後の参考にするためウェブをチェックし、顧客の声を拾い集めている。「われわれとしては120点のデキ」といいつつも、「映像をもっと良くしたい。カメラを使う(運転)補助システムは今後も増える」と、早くも次の「わが子」に思いをはせている。(井田通人)

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『アラウンドビューモニター』を開発した日産自動車の酒井和彦さん

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