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トヨタ世界一ならず 僅差にみえた「意地」と「手堅さ」
このニュースのトピックス:くるま
トヨタ自動車と米ゼネラル・モーターズ(GM)が首位争いを演じた2007年の自動車世界販売台数。トヨタは王者GMに3000台差に詰め寄ったが、及ばなかった。その差は何が何でも世界一を守るというGMの「意地」と、無理せず確実に台数を積み上げるトヨタの「手堅さ」という企業文化にあった。
「順位にこだわりはない」。渡辺捷昭社長は今回の結果に対し、こうコメントした。トヨタ社内に“天下獲り”を逸した悔しさはみじんもない。
それどころか今業界の盟主になれば成長の妨げと考える首脳陣も多い。「世界一」の称号が社員の慢心や驕(おご)りを生むとの恐れや、日米貿易摩擦の再燃も頭をかすめたようだ。
「台数や『世界一』の言葉だけが一人歩きしている」。あるトヨタ幹部はメディアが「世界一」の報道を繰り返すことにいらだつ。GMや独フォルクスワーゲンなど世界中のメーカーと協力関係を築いたトヨタは、世界一の「名」を取るより、業界秩序を乱して「実」を失う方を恐れる。
だがGMは違った。「トヨタに負けたくない」「トップを維持するため戦う」。リチャード・ワゴナー会長はあえてトップに固執する発言を繰り返した。トヨタとの3000台の差に、1世紀にわたり自動車業界に君臨してきたデトロイトの意地がかいま見える。
とはいえ、原油高や排ガス規制の厳格化からトヨタの得意な小型車や低燃費車は世界的に売れまくる。年50万台ずつ販売台数上積みしてきたトヨタの手堅さに変調はみられない。来年の今ごろ、名実とも業界の王座に就いたとき、トヨタ首脳陣たちはどんな反応を示すだろうか。(田端素央)