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【ドイツ車はいま】「東独のポルシェ」再生計画 (2/5ページ)

2008.1.19 10:18
このニュースのトピックスくるま
本格再興目指し、ドレスデンのガレージで組み立てられている「東独のポルシェ」メルコス本格再興目指し、ドレスデンのガレージで組み立てられている「東独のポルシェ」メルコス

 副校長は「産学協同は大戦前からの伝統。東西ドイツに割れた際も、外貨獲得の手段とはいえ、東独政権が自国の大学の研究結果を西独に提供したほどだ」と明かした。

 ヒトラーが本格的に作った速度無制限の高速道路「アウトバーン」(約1万2400キロ)が果たす役割も無視できない。

 自動車評論家のフェアディナンド・ドゥーデンヘファ氏(56)は「ドイツ車は(時速200キロ前後の)高速で走れるようにエンジンが設計されてきた。起伏が激しく、カーブが多い独南西部の『黒い森』地方、アルプスの麓のバイエルン州を貫くアウトバーンを走るには完璧な技術が求められた」と指摘する。「アウトバーンで実験済みの宣伝文句で世界に売られた」(識者)ことで高級イメージが強まった。

 問題もないではない。

 ひとつが自動車への関心の低下である。先のマイヤー記者も「昔は1万ユーロ(約162万円)でフォルクスワーゲンの『ポロ』を買い、3万ユーロの特別装備を施したような人々にとって、今はコンピューターが新たな“オモチャ”なのだ」と語る。

 日本車の“波”も静かに押し寄せている。ある日系メーカー幹部は「横綱の朝青龍に十両の関取が挑むようなもの」と謙遜してみせたものの、日本車は今や、ドイツで10台に1台を占めている。昨年には、90年連合・緑の党の議員が「(環境重視の)トヨタのハイブリッド車を買おう」と日本車を推奨して、ドイツ政財界の猛反発を受けた。

 独誌アウト・ビルトのハオケ・シュリーバー編集者(37)は「ドイツ人は40年前、日本車を『炊飯器』と呼んでバカにした。技術は所詮、その程度だったが、日本車は今、ドイツでも信頼の代名詞だ」と言い切る。

 ウルリヒ副校長自身も「私の車は日本車。秘書の車も同じ。実は学校長も日本車を持っている」と打ち明けてくれた。

技術に妥協なし 東方シフト

 第二次大戦中、ナチス・ドイツに蹂躙(じゅうりん)された東欧諸国が冷戦終結以来、そのドイツからの投資に沸いている。大戦で人口の4分の1を失ったポーランドやハンガリー、チェコなどには、ドイツ系自動車関連企業が多数進出、投資額は1994年からの11年間で、少なくとも400億ユーロ(約6兆5000億円)に上る。

 「過去」は障害にならないのか。ある東欧の国に進出した独自動車企業の広報室長(39)=東欧出身=の話は独企業受け入れラッシュの背景を知るうえで興味深い。

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本格再興目指し、ドレスデンのガレージで組み立てられている「東独のポルシェ」メルコス
メルコス
ベルリン市内を走るBMW
ベルリン市街地を疾走するポルシェ
独東部ライプチヒのポルシェ工場は、宇宙船のような外観を持つ
中世の“ギルド”さながらの厳しさで、小型モーターの回転の仕組みを指導する「ベルリン職業学校」の教師(中)と生徒
BMW・ミュンヘン本社の建物は、独特の外観から「4気筒ビル」と呼ばれている
ハンガリー西部ギヨールのアウディ工場
ライプチヒのBMW工場では、ベルトコンベア上で車両の組み立て作業が手際よく行われている
続々と新車が生産されていくライプチヒのBMW工場
メルセデス・ベンツの前をひた走る旧東独車トラビ
ゼップ・メルコス氏
ペーター・メルコス氏
ミヒャエル・ヤンセン氏
ペーター・ルーレ氏
ライナー・ウルリヒ氏
ハンガリー西部ギヨールのアウディ工場では、ベテラン労働者が真剣な眼差しでエンジンを組み立てていた
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