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【岩崎慶市のけいざい独言】「25円値下げ」という甘言 (1/2ページ)

2008.1.14 12:04

 予想されたこととはいえ、今年度末に期限がくる道路特定財源の暫定税率をめぐる与野党の議論には半ばあきれてしまう。折からの原油高騰も利用して、まるで人気取り競争のようだ。

 「ガソリンは暫定税率廃止で1リットル当たり約25円安くなります」

 仕掛けるのは参院第1党の民主党である。原油が一時、1バレル=100ドルの声を聞き、ガソリンが1リットル=150円前後まで値上がりしたとあって、一部マスコミまでがこれを煽(あお)る。そして18日開会のねじれ通常国会で大きな焦点となった。

 ガソリンにかかる揮発油税や自動車重量税などの暫定税率は本来の税率の倍だから、これを廃止すれば民主党のいう通りになる。だが、問題はそう簡単ではあるまい。

 そもそも道路特定財源問題は一般財源化に端を発する。国・地方合わせて5・6兆円に上る財源を一般財源化すれば、無駄な道路建設を防ぎ財政再建にも役立つからだ。一部を環境税に組み替えることだってできる。

 遺憾ながら政府・与党の来年度税制改正案は暫定税率は維持したものの、一般財源化は完全に有名無実化した。悲しいことに、民主党案はこれに輪をかけてひどい。

 全額一般財源化するとしながら、指摘したように暫定税率は廃止する。減税額は2・7兆円に上るのに、財源の手当てはない。このまま国会で激突したらどうなるのか。

 予算案は衆院で可決すれば年度内に自然成立するが、租税特別措置法改正案は別だ。参院で店(たな)ざらしになると、新年度の歳入に不足が生じ予算執行に支障が出る。衆院で再議決するにしても、一旦(いったん)はガソリンが下がるから混乱は必至だ。

 民主党の狙いはそこだろう。あきらかに総選挙を意識した戦術である。自民も自民で「暫定税率を廃止したら地方の道路予算が9000億円不足する」と、選挙向けの発言を繰り返す。

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