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【主張】春闘 少子化阻止の働き方示せ
日本経団連労使フォーラムが10日始まり、今年の春闘がスタートした。
日本経団連は、手取り収入の伸び悩み、個人消費の頭打ち懸念などを踏まえ、賃上げに理解を示した。連合も「内需拡大などマクロ経済への影響力を発揮する」とし、月例賃金改善を最優先させるという。
景気拡大は戦後最長、企業の今年3月期決算は5期連続で過去最高益が見込まれている。にもかかわらず、国民は好況を実感していない。その一方で、国際金融市場の動揺や原油価格急騰などで経済の先行き不透明感が高まっている。日本経済を引っ張ってきた輸出の減速が予想される。
内需喚起の観点からも雇用者所得の底上げは重要だ。労使双方が、景気への影響を視野に、賃上げを前提として春闘に臨むのは歓迎すべきである。
「好業績は賞与・一時金に反映させる」「業界一律でなく、個別企業の業績や体力に応じて賃上げする」との流れは定着している。同業種でも企業間の業績差、体力差は顕著だ。このため、「横並び賃上げ」は現実的ではないが、業績を月例賃金引き上げのかたちで社員に還元する経営側の努力を期待したい。
春闘のテーマは賃金だけではない。危機的状況にある少子化の進行に歯止めをかけるために何ができるか、労使が協議する絶好の機会だ。仕事と生活の調和をめざす「ワーク・ライフ・バランス」もその一つである。
今回、連合は残業代引き上げを労働時間短縮のテコとする考えを示した。日本経団連は、仕事の目標を明確にし、その達成度を適正に評価することで効率的な働き方が進められるとしている。両者の主張には開きがあるが、真剣な議論を通じて、「少子化時代の働き方」の提示につなげてほしい。
昨年の春闘では、松下電器産業が賃上げ分をすべて育児手当に回した。基本給の上昇を抑えつつ、手当名目で事実上賃上げを確保する策とはいえ、こうした工夫が生み出されてこそ、春闘の意味がある。
激化する国際競争で日本企業が勝ち抜くには、人件費総額の拡大にはおのずと限界がある。そうした制約の中でどんな知恵が生まれるか。春闘の評価は、ここで決まる。