ニュース: 経済・IT RSS feed
【主張】原油急騰 世界規模で「脱石油」図れ
年明け早々、ニューヨーク市場で原油先物が一時、1バレル=100ドルをつけた。海外株式市場、外国為替市場は大きく動揺した。東京証券取引所の大発会で日経平均株価は急落、1万5000円を大きく割り込んだ。
今回の原油急騰は、産油国の政情不安、米国内の在庫不足を材料にした投機的な動きだ。米経済の先行き不安感もあり、株式やドルから原油、金などの商品に資金を移したのである。
投機マネーは、いずれ原油から離れる。価格も落ち着きを取り戻すに違いない。ただ、忘れてはならないのは、原油価格は構造的に上昇基調にあるということである。
石油鉱業連盟は昨年秋、平成17年末時点の見通しとして、世界の石油が枯渇するまで「あと68年」との見解を示した。それまでの「79年」から11年短縮している。主因は中国、インドなどの需要増である。これら新興国の需要は今後、増える一方だ。
また、産油国の多くはすでに浅い油田を掘り尽くし、深い場所の原油に手を付け始めている。これもコスト高要因になる。たとえ産油国が増産に踏み切ったとしても、需要増と採掘コスト増大という状態が解消しない限り、原油価格の騰勢は続くことになろう。
重要なのは、こうした原油高構造にどう対処するかである。世界各国が「脱石油」に本気で取り組むべき時期がきているのではないか。
世界の石油消費量の半分は米国、日本、ドイツの先進3カ国と中国、ロシア、インドの計6カ国で占めている。これらの国の消費が抑えられれば、投機資金も原油シフトに慎重になろう。特に全体の25%を占める米国と、急成長して米国に次ぐ消費国となった中国の消費抑制は緊急課題である。
カギは省エネ技術の開発と石油代替エネルギーの実用化だ。これまで地球温暖化との関連で代替エネルギーの利用が訴えられながら、軌道に乗らなかったのは、コスト面で石油が圧倒的に優位だったからである。
その意味で1バレル=100ドル時代が現実味を帯びる今は、代替エネルギー活用に本気で取り組む好機だ。環境問題だけでなく、経済合理性の観点から、世界規模で石油依存体質を改める動きが活発になることを期待したい。