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改正放送法 マスメディア集中排除原則を大幅緩和
改正放送法が21日成立し、民間放送局の株式持ち合いなどを制限してきた「マスメディア集中排除原則」は大幅に緩和されることになった。表現の自由や言論の多様性を担保してきた同原則の抜本見直しは、昭和25年に放送法が制定されて以来初めて。キー局を核とし、地方局などが傘下に入る「認定放送持ち株会社制度」への移行が可能となり、欧米で加速する「メディアコングロマリット」への道が開けたといえる。
集中排除原則は、少数の資本家が複数の放送局を支配することを防ぐためのルール。現行制度では、放送地域が重ならない局同士の場合でも相手の株式の20%以上(議決権ベース)を保有できないが、今回の法改正で100%子会社化することも可能になる。
制度見直しの背景には、放送エリアが限られるため収益を拡大できない地方局が、巨額の設備投資が必要な地上デジタル放送のエリア拡大を迫られている現実がある。
系列局がそろって持ち株会社傘下に移行すればは、資本力が高まる点でキー局にも地方局にもメリットがある。ただ、傘下に収まる地方局にとっては、地方色が薄まるなど番組の制作、編成で独自性を損なう恐れがある。キー局の肥大化が、番組制作会社など関連業界への支配力強化につながるとの懸念もある。
通信・放送行政に詳しい慶応大学の中村伊知哉教授は、今回の法改正について「放送界はインターネットなどIT分野との競争や、コンテンツの国際競争といった新しい波への対応を迫られている。世界的にメディア再編が進む中、法改正は打つべきギリギリのタイミングだった」と語った。
中村教授は持ち株会社化をきっかけに、新聞社と放送局の関係が変化する可能性も指摘。「両者が独自路線を歩むか、それともITを軸に世界的なメディア複合体を目指すか。各社の環境や経営判断によって色分けされていくだろう」と予想している。