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【クルマの達人】ダイハツ コペン「アルティメットエディションII」 (1/2ページ)
■街を遊園地にする「カボチャの馬車」
「ツードアのその銀色のクルマは−なんと言えばいいのか−とにかく妙ちきりんな格好をしていた。フェンダー、ボンネット、リアトランク、ヘッドライト、すべてが丸っこく、あえて譬(たと)えれば、お椀(わん)を逆さまにしてテーブルの上に伏せたような格好をしている。少し、てんとう虫にも似ている」(垣根涼介著「君たちに明日はない」=新潮文庫)
うまい、のだ。山本周五郎賞を受賞した同書に限らず、垣根氏は作中の車にこだわる。スバルのインプレッサやレガシー、マツダのユーノス500…。それが人物像を浮かび上がらせ、作品のスパイスにもなる。「君たちに−」のなかで、「これが、あなたの自慢のクルマ?」と問われた主人公は、こう返す。「カボチャの馬車」と。
しかも、試乗車は黄色と聞いていた。黄色い車の経験は、タクシーくらい。どんな気分なんだろう、どんな服が似合うんだろう。たぶん、水色をしたコムデギャルソン・シャツあたり。ムーン・アイランドに急いだ。
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東京都中央区の「月島」にあるショールームに「アルティメットエディションII」のコペンがいた。原色ペンキのような黄色いボディーに、足はビルシュタインのショックとBBSのアルミホイールが奢(おご)られた。
愛らしい丸目のライトにウインクされた。昔は当たり前だったのに、最近の車はつり目がち。いつから丸目の車が減ったんだろう。ちなみに、自分が乗ってきた車の丸目率は約67%。丸い瞳で見つめられると、ちょこっとばかり弱いのだ。
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真っ青な空に、屋根はいらない。ほとんど指1本のボタン操作で、ルーフはリアトランクに吸い込まれる。ゼンマイ仕掛けのような音。どこか、おもちゃっぽい。手動で幌(ほろ)を上げる自分のアルファ・スパイダーと比べて、浮気心が芽生えてしまう。




