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米のサブプライム対策 差し押さえ連鎖遮断ほど遠く
ブッシュ政権が6日発表したサブプライムローンの救済策は景気後退に波及しかねない住宅差し押さえ急増の阻止に焦点をあてたものだ。ただ、効果は限定的で、差し押さえの連鎖を遮断するにはほど遠い。
同じ6日、米抵当銀行協会(MBA)が発表した7〜9月期の住宅差し押さえ件数は過去最悪を更新。ブッシュ大統領も「住宅市場が直面する困難を裏付けるものだ」と深刻な影響を認めざるを得なかった。
実際、「差し押さえはあなたの隣人だけの問題ではない」(民主党のダービン上院議員)。周辺の住宅価値を押し下げ、次の差し押さえを誘発。住宅売れ残りが膨らみ、住宅価格は下洛。消費は落ち込み、景気後退に進むことになる。
ローンを組み込んだ金融商品の価値も下落し、国際金融市場の信用不安には出口が見えない。国際的な影響を含めた損失は「最大3000億ドル(約33兆円)」と経済開発協力機構(OECD)は試算する。
この悪循環を断ち切るには差し押さえの発生自体を抑える必要がある。今回の対策は今後2年間で金利上昇を控え、しかも借り換えができない借り手を対象に、金利を5年間凍結させて返済可能に導くものだ。
しかし、すでに返済に窮している借り手は対象外。金利凍結には、投資家、サービサー(債権回収者)の合意が必要で、強制力はない。
そもそもサブプライム問題の責任は、金余りの金融機関が移民や黒人など低所得者を標的に返済能力を十分審査せず、後に金利が急上昇する仕組みも説明せずに申込書に署名させた不当な融資競争にある。
5日に開かれた上院の公聴会では、2カ月前に変動金利に切り替わって毎月の返済額が25%増えたシカゴ在住の黒人女性、ネティェ・マックギーさん(73)が「固定金利だとずっと思っていた。私のようにマイホームで人生を終えようと考えてきた大勢の人間が家を失おうとしている」と訴えた。
公的資金投入を拒むブッシュ大統領は民間主導の救済を強調するが、解決には早晩、議会を含めた政策の総動員が求められてくる。(ワシントン 渡辺浩生)