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三洋電機の佐野社長、実直手法で復活の道
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三洋電機が27日発表した平成19年9月中間連結決算で3期ぶりの黒字転換を果たした背景には、創業家の井植敏雅・前社長の後任として今年4月(代表取締役就任は6月の株主総会)に就任した佐野精一郎社長の尽力が大きい。人事担当の執行役員からの抜擢(ばつてき)に「経営手腕は未知数」との見方もあったが、過去の三洋にない実直な手法が実を結びつつあるようだ。
佐野社長への評価を印象づけたのは、老夫婦が死亡した火災で自社製の旧型扇風機が火元だったことを公表した8月の緊急記者会見だった。法的責任がないにもかかわらず、頭を下げる姿に「きちんとした人」との声があがった。
当初、佐野社長については井植氏が影響力を残すために指名したとの指摘もあったものの、就任直後から大株主である金融3社との協調姿勢を打ち出し、「(前任者と違って)私は割り切れる」と明言した。
三洋には携帯電話で世界最大手のノキア(フィンランド)と、薄型テレビ事業で台湾の広達電脳(クオンタ・コンピュータ)とそれぞれ提携計画をぶちあげ、白紙撤回や計画縮小に終わった経緯がある。こうした「有言不実行」が信用失墜を招いたことを教訓に、佐野社長は「約束を守る企業」を目指す構えを見せている。
10月には井植氏が分離・売却に消極的だったとされる携帯電話機事業の京セラへの譲渡で基本合意。一方、井植氏が社長時代に決めた半導体事業売却を断念したことで再建シナリオの修正を迫られる場面もあったが、金融機関の幹部に「就任時に腹をくくっています」と答えたという。
今後の「名門復活」には自ら策定したマスタープランの達成が求められる佐野社長。正念場はこれからといえそうだ。