ニュース:経済・IT RSS feed
【主張】企業収益好調 逆風に耐える力試される
東証1部上場企業の平成19年9月中間期決算の発表がほぼ終了した。新光総合研究所の集計によると、金融機関を除いた総計は売上高、経常利益ともに前年同期を上回り、中間決算として5年連続で過去最高益を更新した。
しかし、企業収益の先行きへの警戒感は、むしろ強まっている。現時点では来年3月期の通期決算も全体で6年連続の増収増益予想となっているものの、マイナス材料が一斉に表面化してきたからだ。
米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題を震源とした金融・資本市場の動揺の深さが見極め切れていない。これが内外の消費減につながれば企業収益への悪影響は避けられない。加速する円高ドル安、原油など商品価格の高騰によるコスト上昇もある。
もっとも、見方を変えれば、こうした経営環境の変化は、企業がこれまで進めてきた構造改革=リストラを総点検する機会ともいえる。
バブル崩壊後の不況下で、日本企業は事業見直し、人員削減や賃下げ、拠点統廃合などを断行した。「債務・雇用・設備」という「3つの過剰」の解消に成功し、その後も国際競争力強化を掲げて改革を続けてきた。
こうした経営努力を、日銀の超金融緩和政策、政府の規制改革や税制措置などが支えるかたちで、日本経済は復活したのである。
一方、この景気拡大が輸出主導であり、円安、海外経済の好調さなど外部要因が作用したのも事実だ。これらのプラス材料がはげ落ち、逆風にさらされれば、好調な業績に隠れていた経営上の問題も見えてこよう。
自らの描く成長の青写真が楽観的過ぎないか。金利や為替、海外景気といった不確実性の高い要素に過度に依存していないか。企業自身が洗い直し、修正すべき点は修正し、打つべき手は打たねばならない。
なお高収益を維持する今ならば、手遅れにならずに済むだろう。大きなリスクが眼前に迫っている今、早急に問題を把握することが何よりも重要になる。バブル崩壊後、対策が後手に回り続けた苦い経験を生かせるか。日本経済、とりわけ企業の真価が問われるのはこれからである。