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伝統技能生かして“革新” 中小企業庁のご当地資源補助事業 (1/3ページ)

2007.11.14 11:06
 ツルツルとした触感を損なわず染色に成功した北山杉の試作品=京都市北区の山商 ツルツルとした触感を損なわず染色に成功した北山杉の試作品=京都市北区の山商

 地域の特産品や伝統産業などの“ご当地資源”を活用した新ビジネスが全国で動き始めている。経済産業省が地域産業資源事業計画に認定した事業で、すでに生産ルートに乗ったケースもある。京都や淡路島では、伝統の技などをまったく別の製品に取り込むことで新たなビジネスチャンスが生まれようとしており、年々廃れていく一方の伝統産業の活性化も期待できそうだ。

 サーフボードの図柄は「風神雷神」−。この「純和風ボード」を製作したのは、京都市下京区のサーフボード製作企画会社「Kyoto Style」。大島真也社長(48)は、友人の京表具師のアドバイスも得て、掛け軸や襖などの伝統技術を応用、製品化にこぎつけた。

 ボードは通常、土台となる発泡材に、繊維状のガラスや樹脂を吹き付けて成形していく。大島社長はボードに図柄をつける際、図柄を印刷した特殊加工の和紙を発泡材に張り付け、その上から樹脂などを吹き付ける方法を考案した。

 「和紙は樹脂が浸透しやすい半面、印刷インクがにじみやすい。京表具の技術を応用することで、そのにじみを解消できた。子供が描いた絵もパソコンに取り込み、簡単にデザインできる」と大島社長。すでに試作品数点が売れ、千葉県のメーカーが生産・販売に乗り出すことになった。

 完成したばかりの「風神雷神図屏風」柄のボードを手にした大島社長の友人、山本牧人さん(39)は「サーファーは目立ちたがり屋。目立つボードは、格好の自己表現のアイテムになるのでは」と魅力を語る。

 京都市北区の北山杉製造卸業「山商」は、和風建築の高級素材である北山杉を素材に、新商品の開発に取り組んでいる。

 北山杉は、茶室や数寄屋造りに用いられる「磨き丸太」として室町時代から親しまれ、バブル期には床柱として1本数百万円の値をつけたこともある。が、今では青息吐息。京都府によると、平成元年に47億円だった生産額は昨年、2億2000万円にまでダウン。和風の住宅建築や和室の需要が減少したためだ。

 「光沢のある木肌の特徴を損ねずに染色できたら、洋風化した住宅や店舗でも使ってもらえるはず」。同社の岡本満社長(55)は開発の動機を語る。京都工芸繊維大などでつくる産学プロジェクトが一昨年開発した浸透性の高い染料を使用し、丸太の染色に成功した。

 同社では、染色だけでなく京友禅の技術を生かした「デザイン丸太」の試作も重ねており、岡本社長は「色によっては屋外で変色する課題を克服して何とか実用化にこぎつけたい」と意気込む。

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 ツルツルとした触感を損なわず染色に成功した北山杉の試作品=京都市北区の山商
 京表具師の技を応用してつくられた「風神雷神図屏風」柄のサーフボード=京都市下京区のKyoto Style
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