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NOVA、事業継続優先で再建断念
経営の再建を目指して会社更生法の適用を申請していたNOVAは、事業継続を優先させた結果、会社としての再建を断念せざるをえなくなった。保全管理人は最後までNOVAの再建の可能性も、清算と両にらみで模索してきたが、ジー・コミュニケーションは、再建を請けおう“スポンサー”ではなく、営業譲渡先として登場した。日々価値が下がる時間との戦いの中での究極の選択を迫られた格好だ。(藤原直樹)
保全管理人の東畠敏明弁護士は支援企業選びを「遅くとも1カ月以内の短期決戦」と宣言していた。更生法適用を申請した直後には候補として猿橋望前社長時代に提携交渉が行われた丸井や、イオン、ヤフー、楽天の4社の名前をあげていた。
しかし、「話を聞いたことがない」(イオンの岡田元也社長)、「難しいと思ってもらっていい」(楽天の三木谷浩史社長)と4社からはすぐに支援に否定的な見解が出された。東畠弁護士も「過去に事業提携話があっただけ。申し出がないし、こちらから積極的に接触していない」と話し、4社との交渉は早々と断念した。
ファンドの紹介や「大阪・北摂地区の事業だけがほしい」など地域限定の話もある中、一括での事業譲渡方針を優先。申し出があったジー・コミュニケーションなど10数社とねばり強く交渉を継続した。
しかしその間、スイスに本部を置く語学教育会社、EFエデュケーショングループのEFイングリッシュ・ファースト社が、NOVA講師を対象に1000人規模の採用活動を始めることを発表したほか、英国やオーストラリアの大使館も講師の帰国支援を打ち出すなど、講師の流出が加速し。日本人従業員の離職も相次ぎ、NOVAの企業価値は日を追うごとに低下した。
また、猿橋前社長が関連会社2社の保有株をすべて売却していたことも判明。このうち1社、「ギンガネット」の株は6日、すべて保全管理人に譲渡された。だが同社はNOVAに機材を卸値の数倍の価格で販売していたことも判明。自らの利益を得るためにNOVAに損害を与えたとして猿橋前社長が特別背任に当たる可能性が浮上した。
加えて、社員らへの給与が遅配している問題では、労働基準法違反(賃金未払い)の疑いで猿橋前社長が大阪中央労働基準監督署から事情聴取されていたことも判明。
新たな事実が明らかになる度に急降下する企業価値。保全管理人は時間との戦いの中で、「破格の条件」のジー・コミュニケーション社への営業譲渡社を選択せざるをえなくなっていた。