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追随か我慢か キリンビール値上げ表明で流通
キリンビールが来年2月からのビール類出荷価格の値上げを発表したことで、国内の流通大手各社は31日、小売価格への転嫁に向けた検討を始めた。ただ、大手スーパーは今も食品値上げ拒否の姿勢を崩していない。消費者が強い反発を示す可能性もあり、小売価格の扱いには紆余(うよ)曲折がありそうだ。
イオン、セブン&アイ・ホールディングスの流通2強をはじめとして、スーパー大手は一様に食品メーカーの値上げ表明に拒否の意向を打ち出している。
大量仕入れを背景とした仕入れ原価引き下げ効果を武器に小売価格を据え置き、なかには値下げを宣言したケースさえある。「スパゲティやマヨネーズのような共同仕入れ、メーカーとの共同配送、物流効率化といった企業努力を引き続き進める」(大手スーパー)ことで、店頭価格への影響をやわらげてきた形だ。
ビールは嗜好(しこう)品だけに「必需品の一般食品に比べ一層、値上げしにくい」との指摘もある。
個人消費が伸び悩んでいるうえに、少子高齢化で日本のビール類の総需要が年々縮小に向かうのは確実。そこに値上げが重なれば「価格に敏感な消費者のビール離れが加速しかねない」(大手流通)ためだ。
イオンは需要予測や売れ行き、在庫情報をメーカーと共有する「CPFR」と呼ぶコンピューターシステムを構築中で、年内には100社以上とネットを接続する見通し。こうした取り組みを強化してきた大手スーパーには「食品メーカーは企業努力が足りない」との不満もくすぶっている。
一方、コンビニエンスストアはメーカー側の求めに沿ってビール類の小売価格も値上げに踏み切るところが多くなりそうだ。実際、ローソンは6月にマヨネーズ、10月にツナ缶の値上げを実施済み。ファミリーマートも10月にツナ缶やサラダ油を値上した。
しかし、具体的な対応については「発表を聞いたばかり。これから検討する」「メーカー側と交渉後に検討する」などして、値上げを否定はしないものの、慎重に検討する姿勢をみせている。