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「研修はたった3日…」NOVAの功罪検証 (2/2ページ)
この時点までは日本人の苦手とする「異文化の仲間づくり」が奏功したかにみえたが、その後、歯止めのない拡大路線に突き進んでいく。
8年の教室数は200校程度だったのに対し、13年に約520校まで増加。昨年6月、台湾に進出し、1000校近くまで膨張した。そうした路線を支えたのが、「薄利多売」のやり方。3年間の長期契約を前提に多額の前払い金を支払わせる一方、1回当たりの授業料を安くした。
外国語学校の業界団体、全国外国語教育振興協会(全外協)などによると、加盟各社の授業料は1回あたり平均4000円前後。これに比べ、全外協に加盟していないNOVAの授業料は長期契約を結ぶと、1回あたり1200〜1800円で済む。ただ、利便性の良い駅周辺で教室を展開するため賃料や人件費といった固定費がかさむため利益の出にくい構造になっており、これを維持する意味でも規模拡大は不可欠だったのだ。
何より追いつかなかったのは、人材確保と育成だ。教室数の増加で「いつでもレッスン受講可」としながらも講師不足のため受講が集中する時間の予約が困難となり、消費者センターへの苦情が増えていった。7年間、NOVAで働いた英国人講師(50)は「拡大路線になって講師が年中、大量に入ってきたが、研修はたった3日間しかなかった」と漏らす。
少子高齢化による生徒数の頭打ちで、18年に最終赤字に転落。社長を解任された猿橋望氏は昨年末、「人材育成が追いついていない」と自らの過ちを認め、拡大路線の修正に着手したが、中途解約の返金問題をめぐるトラブルが多発。訴訟に発展するケースが相次ぎ、今年6月、経済産業省から業務停止命令を受けるに至った。
管理能力を上回る拡大路線は虚偽説明や誇大広告を生み出す背景になったわけで、結果として、消費者への裏切り行為につながったのは間違いない。「猿橋カラー」を排除した形で、消費者重視の再建シナリオが描けるかどうかが今後のポイントになりそうだ。