ニュース: 文化 RSS feed
「棋聖戦観戦記」 米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:囲碁・将棋
ところで羽生・佐藤の対決とは、現代に蘇(よみがえ)った大山・升田の対決である。そう眺めることで将棋を観る楽しみが一層増すのではないか、と私は考える。
常に個性的な新手を構想しては、大舞台で新手をぶつける佐藤の冒険的な将棋は、観る者に「不確実な未来を生きる勇気」を与えてくれる。「新手一生」を掲げた昭和の名棋士・升田幸三の再来であることは、衆目一致するところだ。一方、羽生は「史上最強の棋士は大山。私もあんな境地に達したい」と、将棋史の頂点に燦然(さんぜん)と輝く大山康晴を強く意識しはじめている。
羽生は現代将棋を「未開のジャングルのなかで行われる野戦」と形容する。棋聖戦第5局はまさにそんな将棋だった。振り駒で後手番となった羽生は、10手目に△2二飛と指し、序盤の早い段階で佐藤を「野戦」に引っ張りこんだ。この△2二飛という手は、自陣に隙(すき)を作るゆえ、少し前までは非常識な手とみなされ、誰も指す人がいなかった。しかし佐藤が△2二飛の優秀性を発見し、新手として世に問うたところから、現代将棋はさらなる発展を遂げようとしているのだ。
このニュースの写真
関連ニュース
- 【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(5)「真理」を探求する対局者、終局後の「至福の時間」

- 【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(4)「孤高の脳」が生む無限の広がり

- 【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(3)未踏領域に突入、「均衡の美」をタイトル保持者が解説

- 【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(2)羽生挑戦者「秘策」に誘導か

- 【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(1)桂の佐藤棋聖、銀の羽生挑戦者

- 【第79期棋聖戦五番勝負第5局】佐藤、攻めつながらず

- 【第79期棋聖戦五番勝負第5局】指の震えは勝利確信のサイン

- 【第79期棋聖戦五番勝負第5局】羽生挑戦者勝ち4冠、8年ぶり棋聖奪還≪棋譜再現≫

- 【第79期棋聖戦】第5局 羽生が向かい飛車

- 【第79期棋聖戦五番勝負第5局】佐藤7連覇か、羽生4冠か ▲佐藤−▽羽生≪棋譜再現≫


