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「棋聖戦観戦記」 米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫 (2/3ページ)

2008.7.24 08:10
このニュースのトピックス囲碁・将棋
佐藤康光(右)を破って棋聖を奪還した羽生善治=18日、静岡県伊東市(飯田英男撮影)佐藤康光(右)を破って棋聖を奪還した羽生善治=18日、静岡県伊東市(飯田英男撮影)

 ところで羽生・佐藤の対決とは、現代に蘇(よみがえ)った大山・升田の対決である。そう眺めることで将棋を観る楽しみが一層増すのではないか、と私は考える。

 常に個性的な新手を構想しては、大舞台で新手をぶつける佐藤の冒険的な将棋は、観る者に「不確実な未来を生きる勇気」を与えてくれる。「新手一生」を掲げた昭和の名棋士・升田幸三の再来であることは、衆目一致するところだ。一方、羽生は「史上最強の棋士は大山。私もあんな境地に達したい」と、将棋史の頂点に燦然(さんぜん)と輝く大山康晴を強く意識しはじめている。

 羽生は現代将棋を「未開のジャングルのなかで行われる野戦」と形容する。棋聖戦第5局はまさにそんな将棋だった。振り駒で後手番となった羽生は、10手目に△2二飛と指し、序盤の早い段階で佐藤を「野戦」に引っ張りこんだ。この△2二飛という手は、自陣に隙(すき)を作るゆえ、少し前までは非常識な手とみなされ、誰も指す人がいなかった。しかし佐藤が△2二飛の優秀性を発見し、新手として世に問うたところから、現代将棋はさらなる発展を遂げようとしているのだ。

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佐藤康光(右)を破って棋聖を奪還した羽生善治=18日、静岡県伊東市(飯田英男撮影)

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