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【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(2)羽生挑戦者「秘策」に誘導か (4/5ページ)
このニュースのトピックス:囲碁・将棋
果たしていま対局者の2人は、この山崎−佐藤戦のあとをたどっているという意識を持ちながら、この将棋を指しているのだろうか。羽生挑戦者は、佐藤棋聖が3年前に勝ったこの将棋の、未来のある局面における秘策を用意して、この局面に誘導したのだろうか。もし聞けるものなら、対局終了後に、2人に尋ねてみたいと思う。
そしてここで佐藤棋聖の手がぱたりと止まり、こんこんと考え始めた。ときおり記録係の田嶋三段に向かって佐藤棋聖は、「全部で何分、使いましたか?」と尋ねる。「1時間と1分、使われました」…「1時間と11分、使われました」、田嶋三段は間髪を入れずきびきびと答える。
佐藤棋聖は、私との元旦対談で、こう語った。
「将棋は勝負どころがどこにあるか分からないときがある。普通の人は、将棋の勝負どころは終盤と考えるでしょう。最後に詰む、詰まないという局面です。まあ、そこで間違えれば負けですからそうなんですが。
しかし、プロ同士はわずかな差で戦っていて、どこで勝負がつくかがなかなか分からない。思わぬところで勝負がつくということもあるが、戦っているうちに、どこで形勢が逆転したのか分からないまま指していることがある。それが最初の20手目の局面であるときもあるし、本当に投了する最後の直前のときだったりもする。
これを予期するためには、やはり鋭敏な感覚が不可欠。逆に、これがないとチャンスをつかめない。だから、お互いに感覚を研ぎ澄まし、お互いにピンチを切り抜けた結果が、名局となる。テンション(緊張)が上がるというのとはちょっと違うのかもしれないが、そういう感覚が名局を生み出す土台だと思います」
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