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【棋聖戦・梅田望夫氏観戦記】(1)桂の佐藤棋聖、銀の羽生挑戦者 (2/5ページ)
つい数日前も、ルワンダで教鞭をとるブログ読者からメールをいただいたばかり。インターネット上に何かを書けば、日本にいる人たちばかりでなく、世界中でさまざまな仕事に従事しながらも将棋を愛する人たちに、何かを届けることができるかもしれない。そんな中から、再び、将棋への思いを取り戻す人も出ることになるかもしれない。そんな希望を持って、今日は丸一日、精いっぱい、リアルタイム観戦記を書くことに、一生懸命取り組んでみたいと思う。
「将棋の場合『難しいんでしょ』『専門的な知識がないと見てもわからないんでしょ』とスポーツに比べて、敷居が高いと感じている方が多いように思います。確かに、将棋は難しいゲームです。しかし、それを楽しむのはちっとも難しくないのです。
将棋を指すのは弱くとも、『観て楽しむ』ことは十分できます。例えばプロ野球を見る時。『今のは振っちゃダメなんだよ!』とか『それくらい捕れよ!』。サッカーを見る時。『そこじゃないよ! 今、右サイドが空いていたじゃんか!』と言いながら見ますよね。それと同じことを将棋でもやってもらいたいのです。『それくらい捕れよ!』と言いはしますが、実際に自分がやれと言われたら絶対にできません。 『しっかり決めろよ!』も同じで自分では決められません。将棋もそんなふうに無責任に楽しんでほしい」
この言葉は、将棋界の若きリーダー、渡辺明竜王の言葉である(「頭脳勝負」ちくま新書)。
私はこの彼の言葉に深く共感した。
将棋の未来を切り開いていくためには、「指さない将棋ファン」「将棋は弱くても、観て楽しめる将棋ファン」を増やさなくてはいけない。顕在化しなければならない。ベテランたちよりもうんと長期的な視点でモノを考えていかなければならない若手棋士たちのそんな問題意識は、渡辺さんや、彼の周囲の棋士たちのなかには横溢しているのである。私も微力ながら、そのお手伝いをしようと思っている。
一局の将棋には「無限の広がり」がある。その深さを堪能し尽くせるコアな将棋ファンばかりではなく、草野球をしない野球ファンがたくさん球場に足を運ぶように、もっともっとカジュアルに多くの人たちが、この素晴らしい将棋という頭脳スポーツの魅力を再認識してほしい。多様な「観る楽しみ方」を見出して楽しんでほしい、心からそう思うのだ。
私は、先週の土曜日の朝、日本に向けて出発するギリギリまで、自宅で、羽生さんや佐藤さんの書いた文章を読み続けていた。そして羽生さんのこんな言葉に出合った。
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