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【棋怒哀楽】一門祝賀会

2008.3.31 10:08

 ここ数年はゴールデンウイークの週に、毎年一門の祝賀会を開いている。それだけ弟子が活躍していることなので師匠冥利に尽きる話だ。

 今期はさすがに昇級昇段がなさそうだったが、B級2組順位戦で山崎隆之七段がB級1組に昇級を決めた。祝い事がなくても「一門激励会」を開こうかと思っていたので、ほっとする。

 「今年は何人か惜しいところで昇級できなかったり、自分も将棋の内容が悪いので、祝賀会の気分ではないのですけど…」。山崎七段のぼやきだ。確かにそうなのだが、だからこそ余計に祝賀会を開きたい気持ちなのである。沈滞ムードを吹き飛ばす突破口の役目というわけだ。

 「今年はいつ開くのですか?」。すでに日程を尋ねてくれるありがたいファンの方もいる。今は全体に暗いニュースが多くて、明るい話題が少ないような気もする。そういうときほど、お祭り気分がいいなあと思ったりする。私は派手な場所は苦手で、できれば暗い場所を好む生き物だ。スポットライトでなくて、懐中電灯が性に合っている。

 勝負の世界は商売と同じで水ものである。確かなものや安定とは無縁の日々、年月なのだ。思うようにならないことの積み重ね、そこから踏ん張って何かを生み出すのが七転八起のダルマの精神だ。

 転んでもタダでは起きないぞ!この根性がたまらなく好きである。だから将棋も常に形勢がよくないのだろう?

 もちろん勝負事は結果も大事なのだが、それよりも私は常に戦っている姿勢、がんばっている弟子の姿が見たいと思うのである。昔風の根性ドラマがよい。将棋も体で指す雰囲気に憧れる。頭でっかちはどの分野でもつまらない。頭を打って、痛いという感覚を身につける術がいい。

 所詮勝負事での勝者は限られているもので、みんなが勝つことはあり得ない。多くの敗者がいて数少ない勝者がいるものだ。その淘汰が自然な世界なのである。

 弱くても負けても、ちっとも恥じることはない。(威張ることでもないのだが)

 何だか子ども教室の子ども達への激励の言葉になってしまったが、今の時代は、へこたれないで日々暮らしていくこと、そこに照準を合わせて「結果に惑わされない、結果に振り回されない」タフな心を持つことが大事だなあと、自らを激励するのだった。

 祝賀会は5月3日です。(七段 森信雄)

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