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【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂 帝王教育の大切さを伝える (1/3ページ)
◆8日から小泉信三展
天皇陛下の皇太子時代に、英語教師のバイニング夫人とともに大きな影響を与えたといわれる小泉信三・元慶応義塾長の生誕120年を記念した「小泉信三展」が、今月8日から東京・三田の慶応大学図書館旧館で開催される。
展示される未発表資料の中で、特に興味深いのは、昭和20年代に当時の田島道治・宮内府長官に宛(あ)てた手紙だ。あまり知られていないことだが、昭和23年7月30日付の手紙には、小泉氏が当初、田島氏から要請された皇太子の常時教育参与への就任を強く固辞した理由が詳しく記されている。
第1の理由に健康問題を挙げ、「今一度整形手術を受け、脚部のマヒが恢復(かいふく)すれば、どうにか世間並の勤務にも堪へられませうが、今は他の仕事を以(もっ)て務めとすべきであると考へます」と書いている。小泉氏は昭和20年5月の東京空襲で大やけどを負い、それが完全に癒えていなかったようだ。
◆皇室軽視の風潮を嘆く
小泉氏はさらに、「皇室の御事は常に心に在ります」として、こう書いている。
「マルクシズムに対する理論的批判者も今は寥々(りょうりょう)たる有様です」「参議院の松本某、陛下に対して無知非礼のふるまひがあつたといふ。某々雑誌が恥づるところなく、国の象徴を軽んずる如(ごと)き記事を掲げたといふ」「独り此時に際し、憚(はばか)るところなく正しき怒りを吐露し、或(あるい)は條理を説いて衆人の発憤或は反省を促すことは、ただ民間自由の言論者のみの能(よ)くするところであり、狭く皇室の御事のみを考へても今日の日本に幾人かの斯(かか)る言論者の在ることは最も大切であると小生は思ひます」