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【正論】改めて“皇室外交”を考える 国学院大学教授・大原康男 (2/3ページ)

2008.4.1 02:59
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 とりわけ、その3年前に起こった天安門事件に対して欧米の世論は極めて厳しく、日本が突出して高いレベルの相互訪問を再開することに強い懸念が寄せられていたのである。

 しかるに、宮沢喜一首相は表面的な「日中友好」というお題目を唱えるだけで、国論を二分した熾烈(しれつ)な論争を収拾して国民的合意を得るという努力を全くせず、隠密に計画を進め、強引に実現してしまった。

 その結果、日中両国の関係はどうなったか。友好的な雰囲気が醸成されるどころか、逆に、これまでの未解決の課題に加え、サッカーアジア杯での反日騒動、瀋陽総領事館への中国官憲の乱入、日本の国連常任理事国入りへの反対、さらには偽造商品の氾濫(はんらん)から大気・海洋の汚染や食品の安全性に至るまで両国間には新たな問題が続出、しかも、その大半は中国側の身勝手で傲慢(ごうまん)な対応によって解決の目途もたっていない。

 その上、平成15年秋にはもう一つ驚愕(きょうがく)すべき事実が判明した。先のご訪中は中国が天安門事件による孤立化の打破を狙って進めたものであると当時の銭其●外相が回顧録で明言したからである。「中国に制裁を科した西側の連合戦線の中で最も弱い部分」である日本の「天皇訪中は西側の対中制裁を打破する上で積極的な効果」があった、と。

温家宝首相の招待報道

 当時の我々もそのような意図があるのではないかと憂慮していた。しかし、何よりも恐ろしいのは、このようなことを平然と書かれながら、なお黙ったままでいる我が国の不甲斐(ふがい)なさである。少なくとも、この点のけじめがついていない限り、皇室による中国ご訪問は当面控えられるべきではないか。二度と16年前の過ちを繰り返さないために。

●=王へんに探のつくり

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