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使命と誇り 受け継ぐ 皇室とともに60年 宮内庁嘱託カメラマン (1/2ページ)
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元旦の新聞各紙を飾る皇室の方々のだんらんをはじめ、「宮内庁提供」と銘打たれる公式写真を撮影しているのは宮内庁の嘱託カメラマンだ。天皇陛下、皇族方の日常を広く国内外に伝える重責だけにプレッシャーは大きいが、使命と誇りは戦後60年以上、代々のカメラマンに脈々と引き継がれている。(内藤慎二)
東京でサミットが開催された昭和61年5月。宮内庁の嘱託カメラマンだった松野正雄さん(70)は、皇居・宮殿内の渡り廊下で一人、手元のカメラと格闘していた。「ストロボが作動しない…」。5分後には壁を隔てた「竹の間」で、昭和天皇とレーガン米大統領(当時)、サッチャー英首相(同)らサミット出席者の集合写真撮影が控えていた。
最終的には予備機を使用して事なきを得た。「ストロボ内部の電子コードが断線していた。あのときストロボのチェックを怠り、撮影に臨んでいたら撮れなかった。人生で一番肝を冷やした経験です」。昨日の出来事のような安堵(あんど)の表情を浮かべる。
平成11年末まで25年にわたって皇室を撮り続けた松野さんには忘れられない写真が2枚ある。
1枚は昭和61年11月、在位60年を祝うちょうちん行列に二重橋から手を振られる昭和天皇を、後方から写した写真。行列の参加者がまぶしくなるという配慮からか、昭和天皇の側近から「ストロボは2回までにしてほしい」と頼まれたという。
もう1枚は同じ年の2月、香淳皇后の誕生日を前に吹上御苑で撮ったご夫妻の写真だ。腰が悪かった皇后の手を、昭和天皇が優しく引かれている。2枚とも昭和天皇の温かいお人柄が伝わってくる。
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