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【第21期女流名人戦】予選特選局第1局(1) (1/2ページ)
黒 四段 宮崎志摩子
白 初段 石井 茜
【1〜53】持ち時間各3時間
先番(黒)6目半コミ出し
【欄外】49ツグ(40)
≪完璧主義の性格を揺さぶる≫
14畳の空間のほぼ中央に置かれた碁盤。それをはさんで二人の女性が対座し、気持ちを静めるように目を閉じて開始の時を待っていた。しばらくして対局開始のブザーが鳴り、第21期女流名人戦の予選が始まった。
宮崎志摩子四段(39)は、第1期の女流名人で、日本棋院所属。深い確かな読みで相手を粉砕する迫力満点の碁で頂点に上った。あれから20年、「内容的にはひどい碁ばかりでした」と当時を振り返り、「最近は前には見えなかったところが見えるようになり、怖いものしらずだったのが、怖くなって(そういう打ち方が)できなくなりました」と、いまを分析する。
石井茜初段(25)は昨年8月にプロになったばかりのニューフェース。関西棋院の所属だが、実家は東(埼玉県)にある。
「受け入れてもらえるかどうか分からなかったけれど、プロになれるのなら」。日本棋院で年齢制限にかかり、プロへの道が閉ざされた後のこと。夢をあきらめずに関西棋院のプロ試験に最後の可能性にかけ、見事に合格した。
小学6年のとき第15回少年少女囲碁大会、小学生の部で優勝、男女混合の大会で女子では初の快挙だった。素質は十分、プロになれないでいたのが不思議なほどだ。
さて盤上。「右上黒17までの分かれは、黒がちょっとつらいかもしれないが、悲観するほどでもない」と、解説の孔令文六段。一局の碁の道中は長く山あり谷あり。碁はまだ始まったばかりである。ただ、終わった後で「定石を間違えて」と、ポツリ宮崎四段。そこで碁が決まるわけではないと思いつつも、完璧(かんぺき)主義の性格を揺さぶった。
白30に黒31と受けた手を「私の碁じゃなかった。良くも悪くも忙しく打つ、私の碁はそういう碁なんです」と悔やんだ。悪くなった流れは止まらず、この後も「あれっ、何やってんだろう」(宮崎)という感じで黒は損を重ねた。
「黒43で参考図なら黒悪くない。だから、白4ではイかもしれないが…」と孔六段。冷静であれば、容易に浮かぶ図だった。(榎本弘幸)



