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【書評】『バブルの興亡 日本は破滅の未来を変えられるのか』徳川家広著 (1/2ページ)
■十九代目、為政者の視点
著者は徳川宗家十九代目にして、ベストセラー『ソロスは警告する』の翻訳家。
従来から鋭い文明批評に定評があったが、単独の著作としては本書が処女作となる。
だが筆遣(ふでづか)いは老練だ。
二代目三代目が問題になる昨今だが、十九代ともなると為政者のDNAもこういう味わいを醸し出すものらしい。
英語で書かれた書物を母国語同然に読めることや、国内外に広い人脈を持つことを生かし、何より為政者の視線で書いている点、投資ノウハウ本や研究室のカビの匂(にお)いのする論文とは一線を画している。
〈四半世紀で四つの巨大バブルが発生した先進国経済の病理を、より広い歴史的文脈の中でとらえようとした〉と語る野心作だが、その一方で、今から何年後に我が国はどういった状況に置かれているかを具体的なシミュレーションで体感させるという読みやすさの工夫が凝らされている。
そして途中には〈バブルが発生するのは大体危機の二年後である〉〈誰もバブルを潰したがらない。ちょうど「根拠なき熱狂」とグリーンスパンFRB議長が口にして株価が下がり非難を浴びたように〉〈ハイパーインフレの行きつく先は大デフレだ〉といった、示唆に富んだ見解がちりばめられていて飽きさせない。
やがて読者は理解する。
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